たった一言で時代の流れが変わる 小泉純一郎さんのようなキレる言葉の簡単なボイストレーニング
日本の歴代総理大臣で声が良いといえば、中曽根康弘さんがナンバーワンだと思います。
総理大臣在任中は詳しくは分かりませんが、テレビでコメントしているときのお声が90歳代とは思えないほど力強く、そして威厳に満ちている。
全盛期はさぞかし素晴らしかったことだろうと思います。
中曽根さんのお声は、共鳴が開発されており、声帯が強く、丹田(へそ下にある「支え」と言われる場所)が意識されています。
一般的に言う「腹から声を出す」というタイプです。歌舞伎役者の11代市川海老蔵さんもそうですね。
そしてもう一人挙げるとすると、小泉純一郎さんです。
小泉さんは、横隔膜のキレが良いので呼気が強く、息の流れを使うのが上手いですね。言葉のリズム感と選び方が良い。
「郵政ガリレオ解散」などと言ったとたん視聴率が上がり時代の流れが変わる。
この言葉の力。
これが、単に言葉が良いだけではここまで説得力はなかったと思います。
私は、「呼吸が大事」と常々言っているのですが、呼吸を上手く使ってお話しになるので、そんなにボリュームを出さなくとも言葉が強く伝わるのです。
言葉と言葉の間を多少長めにとるのですが、呼吸やリズム感が良いので、冗長になりません。それどころか、真剣さが伝わり、説得力があります。
横隔膜のキレが良いと、文章や言葉の最後をしっかりと終われます。
これを「言葉の横隔膜切り」と言います。
「プレッシャーブレス・ビブラート」でもお伝えしたのですが、横隔膜を使えるようになると、声の切れ味が格段によくなります。(参照記事:二日でパワフルな声に変わるトレーニング 「プレッシャーブレス・ビブラート」)
言葉を喉でとめているのと、横隔膜を使ってとめているのとでは、響きの深みや迫力、余韻が違います。
言葉の切れを良くするためには、もちろん滑舌も大事です。
しかし、舌筋を鍛えて滑舌だけ良くしても、心を伝えるような話し方にはなかなかなりません。
最近では野田佳彦さんも良い声でした。
同じことを言っていても、前任の方よりなぜか深みがあるように聞こえるのは素晴らしいと思いました。
それでは先ほどの「横隔膜切り」。
まずは基本となる横隔膜を作るボイストレーニングをお伝えします。
★★横隔膜トレーニング★★
1、肋骨の一番下とおへその間に手を置いて、大きく息を吸い「あ~っはっはっはっ!」と笑う。手で動いている場所を覚える。
2、次に、[h]を抜いて「あ~あっあっあっ!」と、同じ場所で母音のみで切っていく。
1~2が出来るようになったら、思い切りブレスして(息を吸う)手でおさえている場所で言葉を言い、語尾を先ほど動いていたところを「ドンッ!」と動かして切る。
例:「賛成か(ドンッ!)反対か(ドンッ!)はっきりと(ドンッ!)国民に問いたい(ドンッ!)」
横隔膜を鍛えて、魂から物事を言いたいとき、訴えたいとき、ぜひキレのある声でお話しできるようにしてください。
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