「必勝法などない 日々積み重ねていくだけ」酒井俊幸監督から学ぶ必勝法6つの極意(その1)
東洋大学陸上競技部 長距離部門監督、酒井俊幸監督。
就任一年目33歳の若さです。東洋大学を箱根駅伝連覇に導きました。
元コニカミノルタの選手で、全日本実業団駅伝でのご活躍が鮮明に記憶に残っています。
その酒井監督のインタビューが日経ビジネスアソシエ5/18,6/1合併号に掲載されていました。
酒井監督は、ご自分が一流のランナーであったこともあり、その経験知から出た言葉の一つ一つに大変な重みを感じさせます。
それでは、6つの必勝法をご紹介したいと思います。
1、選手一人一人に日々向かい合う
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学生の寮に一緒に住み、24時間寝食を共にしながら、常に目を配り、折に触れて助言を与えてきました。
寮の献立を改善し、栄養士による個別指導も導入しました。
しっかり練習しているかは、足に出ますので、ごまかしは利きません。
適度に休息をとり、ダメージの回復に努めることも重要です。
食事、トレーニング、休息・・・そうしたことを日々意識して、当たり前にこなしていくことがすべての基礎になります。
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アスリートにとって食事は大事。酒井監督は選手と個別に面談し、日常の食事のバランスまで気を配ります。個別面談しているのも大事な点だと思います。
きちんと練習しているかどうかは見れば分かるので、トレーニングの内容も大切なポイントは押さえながらプラスアルファの部分は選手に任せるという方針です。選手の自発性を尊重しながら、しかし細かいチェックは怠らないのですね。
2、速さではなく強さ
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私が求めるのは、ただ速い選手ではありません。強い選手になってほしいんです。調子の悪いときでも、大きく崩れずに我慢できる力。それは、やはり日々の鍛錬によって育つものです。ベストタイムも重要ですが、セカンドベスト、サードベストも大事なんです。
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「強い」という意味はいろいろあると思いますが、目標と志を持って辛抱できる人のことなのではないかと思います。成績に波があるよりは安定した力を発揮できるしぶとさが必要なのですね。
こういう人材の多い団体は足腰がしっかりして、どんなときでも強さを発揮できるのではないでしょうか。
3、チャンスは平等だ
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「メンバーは固定しない」と宣言して、大会に出場したことのない選手にも積極的に声をかけました。実績がないからと外してしまえば、監督の選考はどこが基準なのか不透明になり、信頼もなくなってしまいます。その時点でのベストメンバーを選ぶ。経験不足というリスクは当然ありますが、それは監督が負えばいい。
日々の努力を続けた者が、3年生、4年生になって逆転することは大いに可能なんです。
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連覇には、山登りで素晴らしい走りを見せた「山の神」と言われる柏原選手の頑張りが欠かせなかったと思います。でも駅伝は一人で走ることはできません。すべての人にチャンスがある、ということを監督が言い続け、それを誠実に実践していれば、「もしかしたら自分も」という気持ちが選手にやる気を起こさせて、チームの中で競争がおこります。そうすることで、選手層も厚くなり、全体のレベルも上がるのですね。
残りの3つの極意についてはまた明日。
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