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指導とはその道を導くこと ランニングを教えていただいたことで学んだ気づき

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ランニングをしていた時期があります。
最初は、ランニングだったらお手軽で、好きな時間に続けられそうだと思って始めたのです。
 
走り方のマニュアル本や、ランナー向けの雑誌を読んだりして、自分なりに工夫しながら練習していました。
走り終わったあとは爽快な気分がするし、走っていれば充実感もありました。
 
練習は公園のランニングコースを走っていたのですが、結構人に抜かされるし、なかなか上達していないように思えました。
ちょっと行き詰まりを感じてきました。
 
知り合いで、大学女子駅伝をしている人がいたので相談してみました。
駅伝をするためにわざわざ関西から出てきているような人です。
 
ちょっとコーチをしてもらえないか頼んでみました。
もちろん、指導料はお支払いするという約束です。
週1回早朝だったら教えてもらえることになり、お願いすることにしました。
 
教えてもらうと、やはりこの道を一生懸命やっている方だけあり、説得力があります。
走り方が変わってきました。
一番変わったのは、ピッチ走法という走り方です。
本で読んだりして、自分ではピッチ走法のつもりだったのが、まったく甘いことが分かりました。
 
日本人の場合、外人のように歩幅を広くするとロスが大きく疲労が早く来てしまいます。
狭い歩幅で回転を早くします。
そのリズム感が違うのです。
私の横について「ハイっ、タッタッタッタッ・・・」と言いながら一緒に走ってくれるのですが、この感覚は自分でやっているだけではつかめませんでした。
 
走りにムダがなくなってきてだんだん楽に走れるようになり、楽しくなってきました。
そうすると毎日走らずにはいられません。
ランニング中毒のような状態になりました。
しかし、コーチからは「休みも練習のうち」と言われ、毎日走らないように注意をうけます。
 
ある時、「レースにでてみたら?」と勧められました。
レース用のシューズを買い、レース用の訓練をします。
またこれも、自分が頭で考えているのとは大きく違いました。
 
最初は飛ばさず辛抱し、後半にスピードを上げていくやり方です。
水の飲み方もテクニックがあるのです。
特に強烈なのは最後のスパートのやり方。
ピッチ走法でリズムも早くなり、さらにストライドものばします。
 
少し郊外のレースだったら、入賞するようにさえなってきました。
一人で走っていたら、きっとレースに出ることさえなかったでしょう。
教えてもらうとこんなに違うのだということを実感しました。
 
教えていただくことで私がとくに気をつけたことがあります。
コーチは私より年下だったのですが、走りの世界では先輩です。実力主義の世界だと思います。
相手が恐縮するくらい丁寧に接しました。
そうすることで、私自身の気構えがしっかりし、コーチとの緊張感が保てます。
なあなあの関係だと気が緩んでしまい、上手になるものもならないのです。自分のためにも良くありません。
 
おかげで、たくさん素晴らしいことを教えていただけました。
「走り道」の教えは今でも私の宝となっています。

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