「必勝法などない 日々積み重ねていくだけ」酒井俊幸監督から学ぶ必勝法6つの極意(その2)
昨日の記事では6つの極意のうち、1、選手一人一人に日々向かい合う 2、速さではなく強さ 3、チャンスは平等だ、までを書きました。今日は4~6の極意についてご紹介していきたいと思います。
4、心の強さを育てる
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あの大舞台(箱根駅伝)で走るのには気持ちの強さも必要です。プレッシャーに負けない気持ちを支えるのは、これだけやってきたんだという自負、駅伝にかける思い、支えてくれる人たちへの感謝・・・・。強さとはそうしたものの総称だと思います。人間ですから、ああ、やりたくないな、面倒くさいな、そんな感情が出てくるの仕方がない。その面倒くさいことを根気よくやらないと強くはならないんですね、この競技は。
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少しでも走ったことのある人ならお分かりだと思いますが、一ヶ月何もしなければ、すぐにスタートラインに戻ってしまいます。それは、ピアノでも歌でも同じです。続けることで、少しずつ出来ることが増えていく。そして「自分は継続できた」ということが自信につながります。強さとは、自信とプライドと、周囲に対する感謝の気持ちなんだと思います。
5、「言葉」を響かせる
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続けていれば心が折れそうになる時期も必ず来ます。その時、指導者はしっかり必要な言葉をかけてあげなければいけない。選手が指導者の言葉を必要とする瞬間を見極めて、そこを逃さないようにしなければ。
駆け抜ける選手を短い言葉で元気づけたい。「頑張れ!」だったら誰だって言えるし、選手が頑張っていることを分かっている私が、あえて言う必要はないんじゃないかと思うんです。選手の心理と性格を見ないといけません。同じ選手でも好調なときとダメな時では、また言うべき言葉が変わるはず。
言葉をどうやって選手の心に響かせるか。これは本当に日々、勉強しかない。
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走りの道において極限まで自分を磨き上げ、様々な挫折や怪我を乗り越えてきたであろう、一人のプロフェッショナルである酒井監督だからこその言葉。
一言一言の言葉に重みが無いわけがありません。
しかし、さらに響きを深めようとなさっている。
言霊とはまさにこのことなのだと思わされます。
6、情報収集
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読み合いですね。他の大学はどういうふうに選手を配置してくるか。レースを徹底的にシミュレーションしていきます。各大学の選手のタイプも重要です。出身高校もみます。九州と東北では気候、気質が違うでしょう。そういうことが練習の方法とか選手の育て方とかにも出るんです。陸上競技の監督というのは、とにかく四方八方にアンテナを張ることが求められます。
一回勝ったからもういい、では監督を続けていく意味がありませんし、まだ2回しか勝っていない。実績を残せたらいい、ではなく、残さなければならない、そんな気持ちで臨みます。
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他大学がどの区間にどの選手を配置してくるか。そして、選手の実力どころか性格まで研究するのです。箱根に出るくらいの学校はどこもレベルが高いはず。そこで勝ちにいくために、最後の最後はちょっとしたところでの差がついてしまうのかもしれませんね。
「陸上一色で、5年はあっという間にすぎてしまうでしょう。」という酒井監督。
プレッシャーも大変なものだと思いますが、リーダーとしての強い覚悟が感じられました。
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