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献身

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2008年の北京オリンピックで、とりわけ印象に残った選手がいます。
 
ソフトボール金メダリスト、投手の上野 由岐子さんです。
 
連投につぐ連投。
指の皮がむけたのも内緒にして、投げ続けました。
味方の打撃になかなか火がつかないときも辛抱して、シュートなどの変化球で丁寧にコーナーをついて投球をしていた姿は今でも目に焼きついています。
野球帽のひさしの下から、チームメイトに「ドンマイ」と笑いかける真っ白い歯がキラキラと輝いていました。
 
彼女が常に言っていたのが
「ソフトボールはチームプレー。自分の自己満足のために打者との勝負はしません。北京は絶対勝ちにいく投球をします。」
という言葉。
 
世界最速と言われる彼女のストレートは自慢の球種でもあり、そのストレートで勝負し、打者を打ち取ったときは最高の快感であるはずです。
 
しかし、米国戦で4番のスラッガー、バストスとの勝負にどうしてもこだわってしまい、そこで投げた最高のストレートが皮肉にも外野席へ・・・・というシーンもありました。 
そのときの上野さんの表情は忘れることができません。
 
仲間がすぐに駆け寄って気を取り直し、また再度何事も無かったように投げ続けていました。
 
仲間が出来ないときは助け合い、辛抱し、自分の役目を果たす。
逆に自分のピンチのときは仲間に助けられることもあるでしょう。
 
チームプレーとは個々を殺すことではなく、その中でいかに自分の持てる良い面を使いきり、仲間のために尽くすか、ということを上野さんから学びました。
自分自身を戒めるとき、いつも上野さんのことを思い出すようにしています。

それでは、日本ソフトボールチーム、北京オリンピックでのプレーを見てみることにいたしましょう。
 
 

人のために献身するとき信じられないほどの力を発揮する人がいます。
その姿のなんと強く、美しいことでしょう。
 
女が惚れる女です。
 
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