忙しいのに儲かっていない個人事業主の方へ
個人事業主として起業して来月で9年目を迎えようとしています。
何とか生き残ってはいますが、やっている内容は、その時々で、常に変化しています。
大きなところでは、7年半続けたパソコン教室を昨年末に譲渡しました。
企業研修やスポットの講師業は、続けていますが、その内容や取引先は変わっています。
個人事業は、常に、今何をすべきか、を考えなくてはならないと痛感しています。
もちろん、企業の経営もそうですし、会社員であっても、自分の仕事の優先順位を考えることは当たり前だと思います。
ただ、企業と違って、そんなには、いろいろと同時に出来ません。基本的にお一人様なので、すぐに限界が来ます。
雑用も多いです。従業員を雇ったり、パートナーに依頼して、ある程度、作業は分担できたとしても、少ない資源をそこにつぎ込んで良いのか?常に、最優先でやるべきことを考えなくてはならないことに、変わりはありません。
個人事業をされている方で、「忙しい」、「時間が無い」と言っているのに、「儲かっていない」のは、この辺りに問題があるように思います。
個人事業を始める方の多くは、事業を考える、アイデアを出す、といったことが好きなのだと思います。
それまでいた企業で、新しい収益源を開発する、次の柱となる事業を立ち上げる、といったお仕事をされていた経験がある方もいると思います。
そこまでは経験がなくても、ノウハウ本を買ったり、異業種交流会に参加したり、誰かが持っているアイデアに触れることで、自分もやってみたい、と感じた人が多いのではないでしょうか。
家庭菜園でいうところの種蒔きですね。市場、ニーズ、どこで、どういう戦いをするかを考え抜いて、土壌に合った種を蒔き、それがすくすくと育った後の収穫に思いをはせる。
一番楽しいところだと思います。
でも、種蒔きは収穫までの長い道のりのスタートに過ぎません。種を蒔いたとしても、水やりを怠っては芽は出ません。しかも、家庭菜園と異なり、水やりをちゃんとやっても、芽が出るとは限りません。
運よく、芽が出ても、まだまだ食べれません。
雑草を取って、固くなった土を軽く耕して、追肥をして、場合によっては支柱を立てて、やることはまだまだあります。
また、間引かないと全ては育ちません。
個人事業主にとって、間引きは、また、難しい作業です。どれが大きくなるか見極めるのは大変ですし、どれも、愛着のある苗なので、簡単には諦めきれません。
苗どころか、下手したら、芽が出てないプランターも、あと少ししたら出るかも、なんて、狭いベランダにそのままにしていたりします。
個人事業で上手くいっていない人は、この辺りが疎かになっていて、「種を蒔く」→「収穫がない」→「さらに別の種を蒔く」、という悪循環に陥っているように思います。
以前のエントリーでも書きましたが、経営では、「やりたいこと」より、「やらなくてはいけないこと」が、優先します。
楽しい種蒔きだけでなく、地道な作業、難しい見極め、苦しい決断があってこそ、収穫があるのです。