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教育系YouTuberに向いている人

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YouTubeを始めました。
といっても、実際に始めたのは、昨年の4月。当初は、視聴回数もちょろちょろで、「始めました!」というのも恥ずかしく、「1,000回見てもらえたら言おう」とか、「総再生時間が100時間超えたら言おう」などと思っていましたが、「あら、いつの間にか超えている」ということが多く、ここに書くタイミングを失っていました。
現在(3月13日時点)は、視聴回数5,535回、総再生時間407.9時間、チャンネル登録者数131人、まだまだ決して多くはありませんが、最初の数字を考えれば、よくここまで来たな、という感じです。
チャンネル名は「経営情報研究室」で、内容的には、「現代の"読み・書き・そろばん"と呼ばれている "数理・データサイエンス・AI"に関わるキーワードを取り上げる、文系の学生に向けた講座」という、いわゆる「教育系」というやつです。似顔絵s.png
教育系といえば、有名な「ヨビノリ(予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」)」というチャンネルがあります。教育系チャンネルを開設するにあたり、参考にしよう、と見始めた訳ではなく、「ゲーム理論」について調べていたら、たまたま見つけた(「ゲーム理論の基本」)のですが、これが面白い。以降、ちょくちょく見ていますが、「数学を勉強し直そう」というのではなく、「無限ホテルのパラドックス【なぜ直感と反するのか】」とか、「天才たちが挑んだ超難問『猫ひねり問題』」とか、純粋に、コンテンツとして、楽しんでいます。
そんな「ヨビノリ」で、1年前くらいに公開された動画に「教育系YouTuberにならない方がいい7つの理由」というのがあります。
その最後に、「向いていない人」、「向いている人」についての解説があり、ネタバレをしてしまうと、「向いている人」は、「これだけ言っても断固としてやる人」と説明しています。
前置きが長くなりましたが、今回は、ヨビノリの動画「教育系YouTuberにならない方がいい7つの理由」に沿って、この1年を振り返りながら、はたして、私は教育系YouTuberに向いているのだろうか、を考えていきたいと思います。

1つめ:視聴者の母数が少ない
ヨビノリは、理系の大学生を対象にしているので、そもそも母数(理系の大学生自体)が少ない、とのことですが、私の場合は、文系の大学生や文系の大学教育に興味のある高校生で、しかも、「データ分析とかを面白そう」と思ってくれる人がターゲットなので、これも母数はかなり少なそうです。最近、データサイエンスが注目されている!といっても、実際に、文系の学生と話してみると、まだまだ、「苦手意識」が強かったり、「自分とは関係ない世界」と思っている人が多いように感じます。そういう人にも、興味を持って欲しいな、という想いもあるので、私の場合は「母数が少ない」というのは辞める理由にはならないですね。

2つめ:ライバルが多い
既に、「大学受験 教育系YouTuberデータブック」というガイドブックが出版されているほど多い、とのことです。受験系に限定して、この本で紹介されているだけでも120チャンネル、もちろん、本に掲載されていない受験系チャンネルもたくさんあるでしょうし、受験系のカテゴリに入らない教育系チャンネルも数多くあるでしょう。
私の場合、例えば、「回帰分析」「ABC分析」などのキーワードで検索してみると、たくさんの動画が出てきます。しかも、始めた頃は、自分で検索しても自分の動画は出てこず、他人のばかり。これは、「今更、やる意味あるのか」という気にもなります。
ただ、文系向けのものは、「数式」を使わずに、概要だけを説明しているものが多く、作業そのものは「リサーチ会社」など専門の人に任せるような感じです。確かに、文系の人の中には、「数式」に拒否反応を示す人もいますが、それほど難しい数式でなければ、理解できないことは無いはずです。また、自分で実際にやってみてこそ、理解できることも多いと思います。
「文系の人でも理解できるよう丁寧に数式を説明する」、「簡単な例題を実際にやってみる」、この2つに拘ることで、「ライバルが多く」ても、存在意義があると思っています。

3つめ:撮影がシンプルに辛い
ヨビノリは、12時間くらい籠って撮るとのことですが、その間、リアクションの無いカメラに向かってしゃべり続ける、というのはシンプルに辛い作業、とのことです。また生授業と映像授業の違いについて、「反応が見えない(間がつかめない)」、「一発勝負じゃない」という難しさにも触れています。
コロナ禍でオンライン授業をやったことのある先生は、この「反応が見えない苦しさ」というのは、「うんうん」と頷いていると思いますが、「一発勝負じゃない」というのは、「何で?気楽にできるんじゃないの」と疑問を持つ人も多いでしょう。
私も、最初は気楽に考えていたのですが、実際にやってみると、些細なミスが気になり、ちょっと噛んだら、止まってしまったりします。結果、何度も撮り直したり、編集作業が膨大になってしまったり。とにかく、大変です。何度やったところで、そう上手くはできないし、編集作業もパソコンのメモリの関係か、量が多くなるとそれ以上何もできなくなってしまうので、最終的には、「アナウンサーじゃないんだから」と開き直って、落としどころをつけるしかありません。これはこれで難しいのですが、今のところ、「もう撮影したくない!」とまでは追い込まれていません。

4つめ:ミスが許されない
ヨビノリでは、間違いが無いか何度も何度も確認し、編集者(編集する人も内容の知識アリ)がチェックをし、公開前に編集された状態で再度確認して、公開後にビクビクする、という話がありました。
私も、もちろんミスがないか確認しますが、それでも、読み間違いや誤変換など、編集の段階で気が付くこともあります。これはこれで、凹みますが、訂正のテロップを入れたりすれば、そこまで糾弾はされる程ではないかな、と考えています。
もっと怖いのは、間違った情報を発信してしまうことで、ヨビノリの動画では、「学生だけを相手にする場合とは違い、自分より知識のある人、詳しい人も見る」ということのプレッシャーについても語られていて、「なるほど」と思いました。参考にしようとしたネットとか書籍などをよく読むと、「いやいや、それは、そういうことじゃないだろ」ということも、平気で書かれていたりするので、「本当に間違いがないか」は十分注意が必要です。そういう意味では、まだネタとして出すには自信が持てないものもあり、日々、勉強です。こういうところは、論文発表と似ているかも。

5つめ:誰かに嫌われる
自分に対する悪口を、たくさん目にするようになる、というものです。内容ではなく、顔とか、声とか、そういうところまでも否定される、とのこと。
私の場合は、コメントも多くないし、そもそも、それほど視聴者もいないので、まだ、そういったことは経験していません。今のところ、コメントは「分かりやすい」など、好意的なものばかりで、相当、励みになっています。

6つめ:生活できない
広告収入が十分ではないので、「教育系YouTuberでいくと、それだけでは生計が成り立っているのは5組しかいないのでは」とのこと。教育系は基本バズらないし、仮に、10万再生、20万再生されても、生活できるほど収入は得られるものではないので、個人指導や塾など、他の収益モデルが必要、というお話でした。
私の場合は、収益化の申請要件である「登録者数1,000人」「総再生時間4,000時間/年」に遠く及ばないので、まだ1円も収入は無いのですが、他の収益モデルというか、大学教員という本業があるので、生活できています。
本業への効果として、「授業の予習・復習用に役立つ」とか、「高校生向けの出前授業の代わりになる」とか、「ゼミに興味を持ってもらうキッカケになる」とか、そんなことを期待しています。

7つめ:仕事とプライベートの境目がなくなる
「いつでも休める」し、「いつでも働ける」というもの。これって、良いことのように思いますが、人によってはキツイというか、意外と大変という話です。休みのときでも、常に、仕事のことを考えてしまうし、「辛いから今週はいいや」となってしまう。
これは、教育系YouTuberに限らず、ある程度、裁量が任されている人が持つ感覚だと思うのですが、私の場合は、その辺は、経営者として長いこと経験してきたので、耐性があります。
また、ヨビノリの動画では、対策として、「強制力」と「ノルマ」を挙げていましたが、私の場合は、ちょっと緩めですが、「1,2週間に1回はアップする」というルールを自分に課しています。

ということで、私の場合、7つの理由は、どれも、「YouTubeを辞める」と思うまでに至りませんでした。つまり、「これだけ言っても断固としてやる人」に該当しますので、晴れて「教育系YouTuberに向いている人」ということですね。
まあ、1円も儲けていないので、YouTuberとは言えませんが。

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