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IT系新人研修での講師が大変な理由と腕の見せ所

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先日、IT系の会社で新人研修を任され、悩んでいる人の話を聞きました。
「プログラミング言語を教えているけれど、変数や引数、単語などの言葉が通じない新人がいて、説明しても、なかなか理解してもらえない」
とのこと。
進むペースも他の新人たちより遅れ気味なので、どうフォローするか、困っているそうです。

わたしが、今、法人向け研修サービスSVラーニングで、教えている新人は、逆に、優秀で進みが速く、次々と、課題を用意して与えないと、やることが無くなってしまいます。

IT系の新人研修では、同じ新人、といっても、プログラミング能力やコンピュータの知識には、かなり差があり、同じ課題をやらせても、2倍、3倍どころか、10倍以上進みが違うことが、よくあります。
集合研修であれば、どう進めれば良いか、一番悩ましいところであり、講師の腕の見せ所だと思います。

情報系の大学や専門学校等でプログラミングを経験したことがある人と、初めてプログラミングに接する人とでは、差があって当然です。
以前、「IT業界でやっていくのに必要な能力」というエントリで、
「プログラミングを、学生時代にやってきた人、やっていない人とでは、新人研修の間は、差があったとしても、1年もすれば、その差は、ほとんどなくなり、2年もすれば、社会人になってからの学習量や経験の違いによる差の方が大きくなる」
というようなことを書きました。
研修時代に苦労していた人でも、優秀なSEになった人は、たくさんいます。
プログラミングを学生時代にやってきたか、やっていないかで、入社してからの活躍する、しないが決まる訳ではありません。

でも、新人の間は、そんなことは、分かりません。
出来る人、出来ない人、その差は、とてつもなく大きく感じると思います。
10倍もペースが違う人間がいたら、
遅い人は、
「オレには向いていないのかな・・」
と挫折してしまうかも知れませんし、
早い人は、
「なんだか、学生のときより簡単だな」
と仕事そのものを甘く考えてしまうかも知れません。

わたしは、プログラミングの研修では、なるべくコードを書かせる課題を多く出すようにしています。大切なのは、用語を覚えることではなく、プログラムを自力で組めるようになることだからです。
それに、変数や引数を概念的な言葉で説明するより、何倍も効果があります。
言葉は、人によって、ニュアンスやイメージが違うので、微妙に伝わり難いのです。ましてや、相手がそれを初めて見るような場合は、尚更です。
「コタツ」とか「ざるそば」とかを海外の人に紹介するときに、口で説明するよりも、実際に使っているところや食べているところを見せた方が理解してもらいやすいですよね。
課題を通して、コーディング、実行結果の確認、デバッグを繰り返すことで、口頭の説明ではぼんやりしか分からなかったことでも、理解を深めることができるのです。

コードを書かせると、遅い人と早い人の差が出るので、講義中心で行われる集合研修も多いと思います。
でも、それでは芸が無いですし、本当に意味のある研修と言えるかどうか。
コードを書かせる研修であっても、やり方次第で、個人のペースの差を吸収することができるはずです。

例えば、遅い人には、本人が困っていること、悩んでいることを、うまく把握し、効果的なヒントを出すようにします。
答えではなく、ヒントを出す、というところがポイントです。本人が気付くことが大事だからです。
自力で解決して、プログラムが動くようになったとき、苦労すればするほど、喜びも大きいと思います。そうやって、成功体験を積み重ねることで、少しずつ、自信を持てる様になります。
進みを後押しするだけでなく、挫折させずに、学習に意欲的に取り組んでもらう効果があります。

早い人には、応用で、追加の問題を与えるようにします。別の実装方法を考えさせたり、不正入力のときにメッセージを出す例外処理を入れさせたり、機能の追加をしてもらったり。
追加の問題をやってもらうことで、他の人のペースに合うようにします。
また、簡単に出来上がって、研修や仕事を甘く考えてしまうことの無いように、成果物に対して、突っ込みを入れることで、さらに勉強が必要だと感じてもらうのです。

研修期間中のペースの差だけでなく、新人一人一人が、研修後も継続して学習を続けていけるような意識付けまで考えなくてはならないので、新人研修の講師は難しい、大変な仕事なのです。

でも、だからこそ、楽しくって、とても、やりがいを感じることができるのだと思います。

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