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初めての青色申告

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確定申告の季節になりました。
わたしは、昨年7月に個人事業主として開業したので、今回が初めての申告です。
確定申告は、住宅購入時に、「住宅借入金等特別控除」のための申告等、今までに何度かやったことがありますが、青色申告は初挑戦です。

青色申告には、最高65万円の控除がある「複式簿記」と10万円までの控除の「簡易簿記」があります。
わたしは、開業時に参考にした書籍「これならできる!個人事業の“超簡単”経理」(ぱる出版)に従って、「簡易簿記」を選択しました。

簡易簿記でも、奥さんの給与(専従者給与)を全額経費に出来たり、赤字(純損失)が出たら、3年間繰り越して控除ができる等、青色申告による特典は受けられます。

簡易簿記での帳簿は、「現金出納帳」、「売掛帳」、「買掛帳」、「経費帳」、「固定資産台帳」など。これらは、開業時に、「開業届」とともに、税務署に出した「青色申告の承認申請書」で、「備付帳簿名」の欄に並んでいる帳簿の名称の中から、選択して○で囲んだものです。どれが必要かは事業によって違うと思いますが、開業届を出すときに、税務署で相談にのってくれます。
わたしは、入金伝票、出金伝票も使いました。帳簿は、Excelで付けていたのですが、この2つの伝票は100円ショップで買った紙のものです。お金の出入りがあったときに、メモ代わりに書いておき、それを、毎日、帰宅前に、入力していました。
また、簡易簿記では、義務ではありませんが、預金出納帳も記帳しました。公共料金の引き落としだけなら通帳を見れば、日付、金額が分かりますが、広告や、パソコンの備品などの購入で、普通預金から業者に振り込むことも多いので、いつ、どれくらい使ったか、預金出納帳が無いと、把握できなくなってしまうので。

記帳は面倒ですが、帳簿は、税務署のためだけではありません。
前述の書籍にも、

そもそも、あなたが商売する上で、いくら儲かったか、それすら、帳簿がなければ分からないはずです。
いわゆるどんぶり勘定では、このきびしいご時勢で商売を続けていくことはかなり難しいでしょう。

と書いてあります。

とはいえ、仕訳や、処理の仕方など、分からないことばかり。
「これって、勘定科目は何になるんだろう」
「この支払いは、いつ計上すればいいのかな」

領収書の束を税理士に渡して、「あとはよろしく」と言えれば、どんなに楽でしょう。
そういえば、パソコンスクールのフランチャイズを検討していたとき、「月額1万円の顧問料(ロイヤリティとは別)で、毎月、経理報告業務の実作業等、経営をサポートします」というサービスを用意しているフランチャイザーもありました。
わたしも、銀行の方から、ご紹介された会計事務所と連絡を取ったりしましたが、決算報告作成で、年間売上高の2%程度が見積りの相場だそうです。
見積り金額は、わたしがどこまで帳簿を付けるか(その出来具合)によって、変わって来る、とのこと。
どこまで自力で付けられるのか、「とりあえず、やってみよう」とやっているうちに、ズルズルと申告の時期まで、来てしまいました。

さて、分からないことばかり、と言っても、ネットで検索すれば、結構調べられます。
それに、年末になると、税務署主催で実施される無料の「記帳説明会」や「青色申告決算説明会」で、質問や若干の個別相談も可能です。
それでも、不明な点や不安なところは青色申告会で確認しました。青色申告会は、個人で事業を行っている納税者が集まった団体で、記帳指導・決算指導や法律相談などのサービスを受けることができます。
青色申告会への入会は有料ですが、入会金2,000円、会費1,500円/月とリーズナブル。確定申告の相談は、その対象期間分の会費が必要となりますが、わたしの場合、7月開業なので、半年分で9,000円。税理士さんに「決算をお願いします」とやっていたら、この金額では済まなかったでしょう。
自分でやってみるもんですね。
開業費や営業譲渡の費用の償却、棚卸しなどの決算調整も、青色申告会で確認し、無事、青色申告決算書に数字を記入できるところまで出来ました。

税務署主催の説明会では、e-Taxを薦められましたが、電子証明書の取得や、ICカードリーダライタの購入など、面倒だし、お金もかかります。それで、得られるメリット(5,000円控除、還付金がスピーディー等)も、今のところ、それほど魅力に感じません。
でも、混んでいる税務署に行くのはウンザリなので、国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」で、やることにしました。こちらのホームページ、e-Taxの申告も出来ますが、作成後、プリントして、郵送で提出することも出来るのです。

最初は、「決算書・収支内訳書の作成」から、該当する売上、経費などの項目名をクリックして、各フォームに数字を入力していきます。
それが終われば、所得金額が計算され、最後に住所・氏名等を入力すれば、「青色申告決算書(一般用)」が印刷できます。
続いて、「所得税の確定申告書の作成」です。
収入金額や所得金額の「事業 営業等」の項目には、先ほどの決算書での数字が既に入っています。わたしの場合、前職の給与や書籍の原稿料などもあるので、源泉徴収票等を元に、収入欄の項目名をクリックして入力し、さらに、社会保険料(国民健康保険、国民年金)や生命保険料、扶養控除と、控除に関する項目に入力します。
入力が終われば、納税額が計算され、「申告書B第一表」、「申告書B第二表」と一緒に「添付書類台紙」、「提出書類等のチェックシート」が印刷できるので、「チェックシート」で書類を確認しながら、「添付書類台紙」に、源泉徴収票や控除関係の書類を貼り付ければ、完成です。

こうして書いてみれば、簡単なのですが、実際は、「この数字は、どこで、どう入力すればいいのだろう」と結構、悩みました。また、他にも、住宅控除、株の譲渡損失などもあり、ここ何日かの日曜・祭日は、ずっと、この「確定申告書作成コーナー」で、奮闘していました。

「15分あればインターネットで確定申告が出来る」とテレビで見た奥さんに、何でそんなに時間かかるの、と言われながらも、何とか完成にたどり着き、先日、ついに、郵送で確定申告書を提出したのでした。

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