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やる気のスイッチ

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うちの娘二人は、それぞれ高校、中学での後期中間試験を目前に控え、猛勉強中・・・、と言いたいところですが、どうも、のんびりしているように見えます。
子供部屋を覗くと、いちおう机に向かってはいますが、ボーッとしているような感じです。
ここで、「ほら、勉強しなさい」なんて言おうものなら、
「今、やろうと思ってたのに、そう言われるとやる気なくなる」
と非難轟々です。
でも、何も言わずに見守っていても、事態が好転する訳ではなく、時は刻一刻と過ぎていきます。
二人とも勉強をやらなきゃいけないことは分かってはいると思うのですが・・・。

ふと、娘が通っている塾から送られてきた情報誌を見ると、「手をうごかせば、やる気のスイッチが入る!」の文字が。
脳には大きく分けて、「思考系」と「感情系」が存在していて、「感情系」が強くなると、「快」を求め、「不快」を避けようとするのですが、運動すると、感情が収まり、理性的になれる、とのこと。
ずっと怒りながら走ることは出来ないのは、そういうことだそうです。
一方、テレビを観たり、ゲームをやっているときは、脳がお休み中。考えることはお休みになってしまい、「感情系」が優位になって「快」を求め、ますます、「楽」な状態から抜け出せなくなってしまうのだそうです。
そんなときは、テレビやゲームから視線を外し、窓の外の景色や観葉植物の葉を見たり、台所に移動して、お茶を入れたり、手足を動かして状況を変え、すこしずつ脳に変化を与えると、「もうやめよう」「勉強を始めなければ」と考える「思考系」の優位が取り戻されてくるそうです。

もともと、「やらなければ」とは思っているようなので、「思考系」を取り戻せば、「試験が近いから勉強を始めなければ」と考えられるようになるはずです。

と、いうことで、二人の娘を呼んで、この話をすると、
上の娘は、
「わたしは怒りながら走り続けることができる」
となぜか自慢げに反論。
下の娘も、
「マリオやってるときなんか、めっちゃ頭使ってるよー」
と納得がいかない様子。
ムム、このままではイカン。
「いや、ゲームのときは、ある一部のとこしか使って無いんじゃないかな。脳に変化が無いんだよ。きっと。」
「マリオは、ステージ変わるし、めっちゃ変化があるよ」
いや、そういうことじゃない気がする。
奥さんに助けを求めると、
「運動、運動!文科系の部活なんかやる暇あったら、体育系の部活をやれってことだね」
と、自分は茶道部出身なのに、いつからスポ根に!?
「そこまでは、これに書いてないよ。『なぜ、やる気にならないのか』を誰かと議論したり、紙に『やる気が出ない理由』を書き出したりするだけでも、口の運動、手の運動になるって、そのくらいの運動でいいみたいよ」
なんて話をしているうちに、二人の娘は、いつの間にか、いなくなっている。

子供部屋を覗くと、机に向かっています。
こんなことでも、いちおう、情報誌に書いてあった手足や口の運動にはなったはず。
うまく、「やる気のスイッチ」が入ってくれれば良いのですが。

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