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キラードメイン×ブランディング~ドメインを取得するには

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※注 以下の記事は昨日書いたもので、whois が更新されていたり、再登録可能になっているドメインなど、現時点では状況が変わっているものがあります。

前エントリで紹介したようなドメインは、どうやって探せばよいのだろう。よいドメインというのは、たいてい先行登録されているものだ。そうしたドメインを入手するのは、大きく分けて2つの方法がある。ひとつは削除された(再登録可能になった)時点を狙ってドメインを登録する方法、もうひとつは既存の所有者から譲渡してもらう方法である。セカンダリーマーケットとは後者を指す言葉だが、前者(ドロップキャッチ)も専門のサービスがあり、かつては主流でもあった。最近は、良質のドメインは削除される前に取引されるケースが多く、大取引になるものは少なくなっている。

gTLDに関するドロップキャッチサービスとしてはSnapNamesPoolといったサービスがよく知られている。Go Daddy や eNom のようなレジストラでもドロップキャッチサービスを行っている場合がある(当然、英語のサイトである)。どちらも削除されそうなものを事前に登録しておき、実際に削除された場合に再登録してくれるサービスである。複数の登録者がいた場合は、登録後に事後オークションで最高値を入札した人に登録権が渡される((これはPoolが確立した手法である。それまでは定額制か事前オークションが主流だった。))。最近では、主要なレジストラと契約して元所有者が更新しないもの、かつ誰が再登録を希望する者を「レジストリ(登録元)の登録上は削除することなく、所有者移転の形でキャッチさせることもある。この場合、そのドメインが登録されているレジストラと契約していないドロップキャッチ業者を使って再登録することは通常できない(契約したドロップキャッチ業者で登録されていなければ可能だが、通常そのようなことはない)。たとえば、Network Solutionsで登録されているドメインがSnapNamesで登録されている場合、必ずSnapNamesでドロップキャッチされることになる。

ここで、0128.com というドメインを見てみよう。現在のinternicのwhois情報は次のようになっている。

Whois Server Version 2.0

Domain names in the .com and .net domains can now be registered
with many different competing registrars. Go to http://www.internic.net
for detailed information.

   Domain Name: 0128.COM
   Registrar: DIRECTNIC, LTD
   Whois Server: whois.directnic.com
   Referral URL: http://www.directnic.com
   Name Server: EXPIRED-DOMAIN-NS50.DIRECTNIC.COM
   Name Server: EXPIRED-DOMAIN-NS51.DIRECTNIC.COM
   Status: pendingDelete
   Updated Date: 04-mar-2010
   Creation Date: 22-dec-1999
   Expiration Date: 22-dec-2009

>>> Last update of whois database: Wed, 10 Mar 2010 07:38:21 UTC <<<

Updated Dateが3/4で、StatusがpendingDeleteとなっているが、この日から5日間が削除保留期間となる。そして、5日間が過ぎた3/10の昼(米国時間)に削除される(削除スケジュールの詳細については「削除済ドメイン名のための「請戻猶予期間」」を参照)。つまり、明日の未明(午前2時頃)には再登録可能になるはずだ。このドメインは1999年から10年にわたって「for sale」となっていたものだが、誰も買い手がつかなかったのだろう。そうはいっても、4桁の数字の.comドメインは放っておかれるほど不人気なものではないので、間違いなく誰かに取得されていくものなので、「再登録可能になる瞬間」を確認できることはまずない。もし、削除の時点を確認したいのであれば、もっと不人気そうなドメイン、たとえば012879.comやweb-hosting-register-domains.comなどを調べてみるとよい。このようなドメインはpool.comのサイトで調べることができる。

セカンダリーマーケットのサービスとしては、SnapNamesもPoolも既存ドメインの売買サービスを提供しているが、より有名なのはSedoAfternicである。また、eBayが使われることがあるらしい。ちなみにYahoo!オークションにもドメイン名という分類はある。これらのサービスはドメイン所有者が自由に登録できるものであるため、想像するまでもないが、ほとんどの出品は一攫千金を狙ったものだ。そのため見るべきものはほとんどないのだが、まったくないわけではない(ただし、Yahoo!オークションではまともな出品を見たことはない)。

今日のsedoのオークションを見てみたが、banana-skin.comが250ポンド、sleverman.comが2200ユーロ、sale.bizが3,500ポンド、culturist.comが855ユーロで落札されている(culturist.comは、終了時間ギリギリで倍額になった)。少し先の予定を見るとcasino-classic.com(240ドル)、4631.com(現在240ユーロ)などもある。2日後にはfrance.org(現在25,000ドル)という大物もあるが、これは最低落札価格(reserve price)に達していないので、落札されるかどうかわからないが、およそこの程度の金額で取引されているということである。

ドメイン所有者による登録でない業者としてBuyDomainsがある。BuyDomainsは、売買のために自身で150万ものドメインを登録しており、そこから望みの物を探すことができる。感覚的には価格は高めであるが、前述のオークションサイトのように誰も買わないであろう異常な値が付けられているわけではないし、品ぞろえも膨大である。おそらく価格交渉も可能だろう。

日本ではドメイン名のセカンダリーマーケットがほとんど認知されていないので、ここというサービスを紹介しにくいのだが、汎用JPドメインのドロップキャッチサービスについては、老舗のお名前.comがやっている。ドメインを検索すると、通常の登録済ドメインには「×」印が付いているのだが、汎用JPの場合は「M」印などが付いていることがある。これは、ドメインが期限切れとなり廃止される可能性が出てくるとメールで通知してくれるというサービス(無料)である。廃止予定のドメインであれば「B」となりバックオーダーできるようになる(5900円以上、事後オークション制)。「A」はまさにオークションの最中であることを意味する。ただし、バックオーダーといっても、削除ドメインの再登録は業者間での登録競争になることもあり、必ず登録できるとは限らない。

もし、付けたい名前が決まっているなら、その所有者を探せばよい。直接そのドメインのサイトにアクセスしてみれば、上記のようなオークションに出品されていたり、値が付けられているかがわかる。あるいは汎用JPであればJPRSのwhoisサービスを使って、gTLDであれば一般のwhoisサービス(betterwhoisなど)を使って、登録者の情報を調べることができる。最近では、プライバシーという名目で登録者名義が隠されていることも多いが、その場合でもウェブサイトが稼働していれば、連絡できるかもしれない。登録者名義が隠されており、ウェブサイトが実運用されているか、何も運用されていないのであれば、売却の意思はないものと思って別のドメインを探すほうがよいだろう。

※本エントリは、個人ブログからの転載です(多少、改変しています)。冒頭に記したとおり、上記の内容は昨日時点のものです。

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