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.com と .net が 10月から値上げ

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ベリサイン、「.com」と「.net」のドメイン登録料を10月から値上げ」(ComputerWorld)ということで、メジャーな gTLD である .com と .net ドメインの卸売価格が値上げされるという報告がありました。→「VeriSign のプレスリリース」(英文) 記事によれば .com は 7%($6→$6.42)、.net は10%($3.5→$3.85)の値上げだそうで、普通の人に大きな影響はないでしょうが、安価なレジストリ(ドメイン登録業者)は影響を受けるでしょう。

ところで、今までにも卸値が $6 程度だろうという推測はあったのですが、このように公式に公開されるものだとは知りませんでした。たいていのレジストラでは .com も .net も同じ価格で提供しているのですが、実際にはかなり差がある($6 対 $3.50)ことがわかります。.net の卸価格が低い理由としては、ICANN とのレジストリ契約について 2005年に再選考があったためかもしれません。このときは、日本レジストリサービス(.jp のレジストリ)が NeuLevel(.biz のレジストリ)と合弁で新組織を立ち上げ応募していたのですが、選定されませんでした。現在、.net の人気は .com のずっと下なのですが、こうして卸価格が公開されたことで、新参レジストリが .net の安売りに手を出すかもしれません。

さて、冒頭の記事によれば、増加する DNS インフラに対処するためだそうです。その処理量は2000年の10億件/日から300億件/日に上っているとのことですが、2000年に比べたインフラにかかる費用、一時期は2000万台前半にまで落ち込んだ .com/.net の登録数と6500万以上という現在の数字を比較して、正当な値上げかどうか疑問もあります。

もともと、レジストリは、業務の独占を排除するため、ICANN とのレジストリ契約は永続的なものではありません。上記の .net でも参入の余地はあったわけですが、実際、かつて VeriSign が扱っていた .org は 2003 年から Public Interest Registry に移行しています(技術インフラは Afflias)。ただし、このような膨大な投資が行われると再選考における技術インフラをアピールしやすくなり、結果として再選されやすくなるという見方もできます(運用の安定性を考えると、真っ向から否定するものでもないのですが)。

ちなみに、ICANN も、数年前からドメインごとに25セント程度(TLD による)の登録費を徴収するようになっています。これを登録費を変えずに吸収した業者(eNom など)もありますが、追加費用として徴収するようになっているところもあります(Go Daddy など)。今回の値上げでは、前者のような対応は難しいでしょう。日本の安価なレジストラ(ムームードメインバリュードメインなど)は、たいてい eNom の再販業者なので、今回の値上げ影響をいくらか受けることになると思います。

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