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日本で流行るかも!?亜流ペニーオークション

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亜流ペニーオークションを説明する前に、日本で今流行っている(?)ペニーオークションについて説明したいと思う。

■ペニーオークション
ペニーオークションは、名が知れてきたのではないかと思う。

ペニーオークションを簡単に説明をすると、入札ごとに手数料が発生するオークションで、商品の開始価格や落札価格が非常に低いのが特徴。メインに取り扱われている商品は、ゲーム機や家電製品などがメインである。

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例えば、ペニーオークション業者が5万円のテレビを仕入れて、商品を1円から販売するとしよう。その商品を入札するには、手数料として50円程度(50~75円が相場)必要で、入札する度に1円ずつ商品価格が上がっていくとする。
※手数料はポイントとして、換金しているケースが多い。

この場合業者が利益を出すためには、

落札価格(初期1円+1円×入札回数)+手数料50円×入札回数 > 5万円

となればよいので、入札回数をAとおくと

(1+1×A)+50×A > 50000
A > 980.37

つまり981回は最低入札してもらわないと業者は利益が出ない。
※実際はサーバ代や決済手数料等のランニングコストがあるので、もう少し利益を出さないといけない。

このペニーオークションサイトは、2005年に開始したSwoopoが発祥とされ、日本でも2009年ごろから流行り始めた。

日本のグルーポン系サイトと同様乱立しており、そのサイト数は100とも言われている。またグルーポン系ビジネスにもあるアグリゲートサイトもたくさん存在する。

DMMはグルーポン系サイト(参照1)とこのペニーオークション(参照2)両方を運営しており、グルーポン系ビジネスをしている会社でペニーオークションもしているという会社もいくつか存在する。

グルーポン系サイト同様に問題もあり、落札できずに手数料だけを取られるような詐欺行為が起きているというような指摘を受けていたり、最近は相次ぐ撤退でポイントの返金に応じない業者も増えているという。


■亜流ペニーオークション

さて、そんないろいろありなペニーオークションだが、値段が上がっていくのではなく、下がっていくという亜流ペニーオークションが海外で存在しているのはご存知だろうか?

SevenSnapである。

Sevensnapiphones

まずは動画をご覧頂きたい。

※Demo of the SevenSnap App

仕組みは以下のとおりである。

商品の開始価格はそもそもの定価よりも低く設定されている。そこから時間を追うごとに安くなるのだが、オークション参加者はタイムクレジットと呼ばれるオークション参加料を払わなければ、商品の値段も見ることができず、入札することもできない。

オークション参加料は時間に比例し、例えばSevenSnapのページでは参加時間が4分だとタイムクレジットが$8.90、250分だと$222.50と説明している。

その商品に対して参加する人数が多いほど、商品の価格が下がる速度があがるようだ。

一回のオークションに何分費やすかは自由で、長くいれば、より安くなる可能性があるが、他の人が落札する可能性も高くなる。

商品が落札されると、価格がリセットされ、また参加する度にタイムクレジットを支払うことになる。


■亜流ペニーオークションでも起こりうる問題

これもペニーオークション同様の手口で業者側の詐欺行為が可能となることは、分かるだろう。
botかなにかを組んでおきユーザーに落札される前に、商品が落札されたように見せかければよいのだから。


■亜流ペニーオークションサービスを始めるなら

グルーポン、ペニーオークション同様、参入障壁が非常に低そうなので、競合が一気に増えることも予想される。
まだ日本では同サービスを行っているところはいない(私の調査では)ので、

  1. 先行者利益
  2. アグリゲートサイトで広告収入
  3. 亜流ペニーオークションサイトのシステム販売
  4. 後発大手へのサイトExit

を考えてこのビジネスを始めれば、半年ほどは上手く行くかもしれない。


■グルーポンとペニーオークションの違い

グルーポン系ビジネスとこれらペニーオークション、亜流ペニーオークションで明らかに違うのは"ソーシャルメディアとの相性"ではないかと思う。

グルーポン系ビジネスには、チケットが成立する下限人数があり、チケットを購入したいユーザーはチケット成立人数に達するようにソーシャルメディア等で口コミを広げるというインセンティブが働くが、ペニーオークション系では一切それが働かない。むしろたくさんのユーザーが参加してもらっては商品の値段があがる、もしくはすぐに落札され困るからだ。

ところで今現在SevenSnapのサービスは稼動していないようで、iPhoneアプリがアップルにより却下(2010年7月)され、現在はペンディング中のようだ。

お問い合わせはこちらへ
shibatsuji@sharecoto.co.jp

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