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世界から憧憬される骨太なニッポンになろう。カリフォルニア発日本応援歌

起業を考える (1):起業が得意なヒスパニック?!

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就職氷河期という用語の創出に表されるように、バブル経済崩壊後、1993年頃から求人倍率が1を下回る状況が発生しています。2005年から3年間ほどは一時的に雇用状況が好転した時期もありましたが、ここ1-2年は今まで以上に厳しい状態に陥っています。

諸外国のことはよくわかりませんが、これまでの日本は新卒採用が前提で、中途採用は例外的な雇用として位置づけられてきました。最近では転職も珍しくなくなってきていますが、それでも「終身雇用」という言葉はまだ根強く残っているのではないでしょうか。

アメリカでもその時期になると就職説明会が大手ホテルを会場に開かれますし、就職活動の一環として在学中に就職希望先でインターンを行ったりする学生も少なくありません。自動車会社や電話会社のように終身雇用が当たり前の業種もありますが、IT業界のように転職が日本の定期異動に相当するかの如くに見えるような分野もあるのです。

求人広告は軒並み「実務経験○年を条件とする」などと書いてありますので、どうやって初回の就職先を見つけるのだろうと不思議に思うこともよくあります。どうやら高校や大学を卒業した若者はまずインターンとして勤め、そこで必要なスキルを習得したり、実務経験を積んだりするようです。

日本国内の雇用情勢が厳しいためか、「留学でもさせてこの困難な状態を避けて通らせたい」と仰る親御さんも少なくないようです。

留学すれば日本の雇用問題と縁を切れるのでしょうか?

私の周囲を見渡してみると、米国企業(というよりも厳密には非日本企業と言ったほうがよいのでしょうが)に他の人達と対等な立場で就職しているいわゆる「現地採用」の日本人はほんのわずかです。ほとんどが、日本企業の米国現地法人にお勤めだったり、日本を主要取引先とする会社を設立されているのです。

いろいろな理由はあるでしょうが、まず英語力の問題が挙げられます。私も会議通訳をしておりますので、それなりの英語力はありますが、著名な大企業で、他のアメリカ人と対等に競争していかれるだけの国語力かと言うと、残念ながら決してそのようなレベルには達してはいないのです。普段の会話やビジネス関連の交渉に不自由するということはないにしても、膨大な資料を読むスピード、アメリカや世界の歴史、英文学などの一般教養などさまざまな点で彼らには勝てないのです。

私の周囲で起業され、成功されている日本人の方々を見ても、起業したからこそ、自営業だからこそ成功しているのであって、アメリカ企業に勤める一人のサラリーマンとして成功できたかどうかははなはだ疑問が残るのです。

帰国子女や短期留学レベルの英語力では、日本を脱出して、米国でサラリーマンとして成功することは非常に難しいと思います。

「起業」の定義は、事業を起こして経営することとあるので、何もグーグルやヤフーのように、ベンチャー投資家からの資金を使って会社を設立し、世界に冠たる大企業にすることがだけが起業ではありません。自営業は全て「起業」ということもできるのです。

その極端な例がヒスパニック系による庭掃除業。日本なら熊手でかき集めるであろう庭の落ち葉をブローワー(blower)で吹き飛ばしてきれいにするという作業です。草取りや草花を植えるなど手間のかかることは別料金。週1回、30分程度で落ち葉を吹き飛ばしてくれるサービスは一月150ドルから200ドル。こういう客を隣近所で5件もち、それを5箇所でやっていたら、一ヶ月の収入は200~300万円です。

庭掃除作業ですから、必要な初期投資は、ブローワー、熊手、箒、塵取り、軍手の類。ホームセンターで買える数万円もしないような代物です。これだって立派な起業の一つ。

大きな家に住みながら、庭の手入れを嫌がる最近の富裕層は彼らにとってはおいしい顧客。需要は伸びる一方です。

ヒスパニック系労働力は、イチゴやぶどうなど野菜の収穫の手作業に使われています。一つ一つの作物は収穫季節が限定される季節労働ではありますが、さまざまな農作物の収穫を契約すれば年間をとおして安定した職が得られます。自分の配下にこの労働力を確保するというサービスであれば、立派な人材派遣業です。

彼らは、「英語ができない」が故に、英語を使わなくてもできる仕事を探します。自分達の手でニーズを捜し、市場を開拓して、仕事を作り出しているのです。

そう考え見ると、道端で物乞いをしているホームレスには、ヒスパニックを初め、諸外国からの移民が皆無と言って良いほど見かけません。彼らは、職に就くという考えではなく、仕事は作り出すものと考えているのかも知れません。


Comment(1)

コメント

ありがとうございます。
とても良いタイミングで、このエントリーを拝見しました。
長くなるので、自分のブログに書きました。

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