NHK受信料を考える
NPR (National Public Radio:公営ラジオ局)の春の寄付募集がありました。
アメリカでは、Public Mediaと言って、公営TV局と公営ラジオ局があります。どちらも、NHK受信料のような「税金」ともいえる強制的な受信料の課金はありません。
NPRの収入は以下のような構成になっています。
- 32.1% 視聴者からの会費や寄付。
- 21.1% 企業や法人からの寄付。
- 10.1% 公営放送公社の運営予算。
- 13.6% ライセンス料。
- 9.6% 財団や基金、大口の寄付。
- 5.8% 連邦、州、市町村行政機関からの交付金。
- 7.6% その他。
NHKの受信料に相当するのが、pledge, membership, donationといわれている個人からの支払いです。
Pledge WeekやPledge Driveという名称で、NPRの会員になることを勧誘・奨励する期間があります。
「NPRのメンバーになってください。基本会費は年60ドルです。」
「毎月10ドルずつ払う会員レベルもあります。」
「もし財布に余裕があったら年間360ドルのコースをお願いします。1日1ドルです。コーヒー1杯の値段よりも安いです。」
「毎週、聞いているお気に入りの番組があるでしょう?その番組を作成するにもコストがかかるのです。その番組が無くなってしまったら悲しいでしょう?ぜひ寄付をお願いします。」
寄付週間は番組の途中、途中でアナウンサーが登場し、会員になることや寄付を勧誘するのです。
毎日のようにNPRを利用しているにもかかわらず、会費を払っていない視聴者は大勢います。それでも「受信料」の支払い本人の意思、自主性に任せるというのがアメリカらしいところです。会費に何段階もあるというのも日本的発想とは異なります。
企業からの寄付には、会員へのプレゼントもあります。基本コースの60ドルではプレゼントは無いのですが、120ドルコースにはクランク式ラジオを付けたり、240ドルコースには頭の体操ソフトがついてきたり、360ドルコースにはエステ券がついて来たりするのです。オマケのプレゼントは、その時々によって変わります。
公営ラジオ局なのでコマーシャルはないのですが、その代わり、endowment という分類に入る寄付をした企業が「提供企業」として番組で紹介されます。日本流に言うと、「この番組は○○社の提供でおおくりします。」という感じでしょうか。
数年前にNHK受信料の不払い運動があった時に、このPledge法に変わったらどうなるだろうと思ったことを思い出しました。
でもこの記事を書いた理由は、pledgeという単語を紹介したかったからです。Pledgeについてはコーヒーでも飲みながらお話しましょう。