ITプロジェクトの進め方とITガバナンス
情報システム部(社内のITニーズの面倒を見る部署)と事業部(IT部門にとっての顧客)がどのように協力できるか、社内のITプロジェクトの時にいつも課題になりますよね。
「両者アライメントをとって」とかよく言われます。
いくら社内顧客であってもIT部門にとってITプロジェクト(アプリ開発やインフラの更改)を出してくる事業部はカスタマです。
仕事を頂いているという心持が大事です。
ITプロジェクトの進め方の一案をご紹介します。
(1)事業部(顧客)が何をやりたいか、何ができるようにして欲しいか(what)をリクエストする。
(2)財務部がROI(プロジェクトコストと成果)を分析する。ただしこの分析に必要な数字は全てIT部門が提供する。もしくは数字へのアクセスを提供する。
(3)IT部門はどの技術やシステム、アプリを使えばそのプロジェクトの目的を達成することができるか(how)を提案する。
(4)IT部門は納期通りにSOW(業務内容書/発注書)に明記された成果物をできたかどうかを評価する。
企業によっては、どのDBを使うか、どのサーバーを使うかなどのhowについて、事業部とIT部が合同で決めるところもあるでしょうし、ITガバナンスを厳しくやっている企業であれば、OSやCPUなどの選択はIT部門に全決定権があると思われます。
しかしながら昨今、consolidation(集約化)の名の下に、DCやサーバー、通信装置の数を減らす傾向があります。通信を含むITインフラを統合化、集約化、標準化することによって、運用や保守の効率を改善し、コスト効率を上げようという取り組みです。サーバーの機種やOS、アプリの作り方などカスタマである事業部が指定するのではなく、標準化されているものを優先するというITガバナンスを徹底させる方向で進めるのが今後のトレンドになるでしょう。
ITガバナンスを徹底させるからには、アプリ開発やレスポンスタイム(ユーザーエクスペリエンス)の改善なども、SLAが活用されるようになるのではないでしょうか。