セブン&アイ・ホールディングスの行方
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セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長の引退が突然報じられました。
コンビニ事業の社長人事を巡って、自らが仕掛けた人事に対して、取締役会で否決されたことに対する引責辞任をするのです。
もちろん、同氏が独断で人事案を仕掛けるというのは、企業統治から見た解釈では歓迎されることではないのかもしれません。
それでも、セブンイレブンを最強のコンビニになるまで成長させ、海外事業も拡大の一途である中、ここまで成し遂げた最大の功労者と言われている鈴木会長の輝きは色褪せるものではないはずです。
ところが、自らの引き際において、どちらかと言えば望む形ではない引退の仕方になってしまったことは、本人にとっても悔いの残ることだったのではないでしょうか?
カリスマ的なリーダーシップを持った企業経営者がどんどん減ってきている、と言われている中で、同氏は数少ない1人でした。
新しい時代に求められている企業経営にとっては、全員参加による事業運営が推奨されていることも事実です。
その中では、ただ1人の飛び抜けた人物よりも全員が持っている個性を発揮して、経営力を高めていくことが有効、と言った具合の考え方です。
だからと言って、いつの時代も企業の中では少数派の一部の飛び抜けた人物が示す羅針盤に乗って、低空飛行をしていた企業がブレイクスルーを迎えた、という事例も無視はできません。
今後のセブン&アイHDの行方は気になるところです。
在任中に鈴木氏が社内にどれだけ革新力を行き渡らせることができていたのかが、本気で問われてくるからです。
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