ルネサスとベライゾンの提携は意外な組合せ
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ここ3ヵ月くらいの期間における企業同士の提携では、意外な組合せナンバーワンとも言えるのが、ルネサスエレクトロニクスと米ベライゾン・コミュニケーションズとの提携です。
ルネサスは「IoT」の分野で米通信大手のベライゾンと提携することによって、ベライゾンの持つ北米を中心とした携帯通信網を活用してIoT対応機器とデータセンター間の通信サービスを提供しようというのです。
ルネサスは半導体に加えてソフトウエアや通信環境を提供してIoTサービスを手掛ける顧客企業を支援するのですが、ベライゾンが持つ世界各国のネットワークを生かして米国以外での事業展開も当然視野に入ってきます。
ルネサスは自動車分野を中心として半導体に強く、東日本大震災が発生した際には被災した工場が生産を停止するなどしてサプライチェーンが分断されて、自動車のエンジンなどを制御する半導体のマイコンが深刻な供給不足に陥ったことは記憶に新しいところです。
一方、ベライゾンは米国の携帯電話市場でAT&Tと首位争いを演じている非常に強い会社です。ソフトバンクが手中に収めた米スプリントによるこれら2強への挑戦をはね除けているくらい、地力を持っている訳です。
一見すると接点がないように見える両社が今回のように結びついた点に筆者は注目しています。
そして目的が「IoT」と聞いただけで、俄然両社の動きを注視していかないといけないと感じたのです。
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