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技術で勝って、商売で負けていませんか?

優れたビジネスモデル

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presen.jpg世の中で成功した企業というのは、当然、優れたビジネスモデルを持っているからこそ、他社に比べても突出した成果が出ているのでしょう。

これは間違いなく言えることですが、意外とこうした優れたビジネスモデルでも、それまでの世の中に全く存在しなかったモノという訳ではなく、従来から存在していたモデルを改良して充実した内容に変化させた、というモデルが多いのかもしれません。


筆者が以前より優れたビジネスモデルとして高く評価している企業が2社あります。
まず最初の1社がクックパッドです。

ご存知のとおり、料理のレシピを中心としたコンテンツを利用ユーザ参加型のスタイルで提供し、広告や有料会員制の会費などを中心として収益を上げている会社です。

筆者はクックパッドの知名度が世の中にまだそんなに広がっていない時代から、当該ビジネスモデルには注目していて、ずっと成長の軌跡を追いかけてきた経緯があります。もちろん弊社のオウンドメディアの企画開発の参考にもしたかったからです。

どうしてこんなにもクックパッドに注目していたのでしょうか?なぜなら当時からすでにレシピを提供しているWebサイトは他にも幾つか存在していたからです。例えば、その時代に最も蓄積していて公開されているレシピの数が多かったのが、"味の素"のコンテンツでした。筆者もたびたび使っていたことを思い出します。

こうしたライバルサイトが多かったのにも関わらず、クックパッドは後発でありながらどうやって成長していくのか、という点で非常に興味があったのです。

同社が設立されたのは1997年、と近年の快進撃に比べたら予想以上に社歴があるということはあまり知られていません。当初からレシピを提供するサイト運営を始めていましたが、何年間も事業としてはとても成功とは言えない長い時代が続いていたと言います。

それでも辛抱や工夫を重ねて、ようやく今の姿の基礎となるスタイルを確立していったのです。多くの工夫が結実した状態が現在のスタイルという訳です。

筆者がビジネスモデルを高く評価しているもう1社が、ファーストリテイリングが運営するユニクロです。

このモデルもそうですが、筆者の地元に初出店されたとき(それ以前に、勢いのある会社だという噂は聞いていましたが)は、紳士服に特化するスタイルで、どうして将来性があるのだろう、という具合に半信半疑で見ていたことを思い出します。

洋服やファッションに興味があるのは男性より女性であり、多くの男性の中でもお洒落に興味のある一部の男性だけを相手にした商売では先行きの成長の姿が想像できなかったのです。

ところが今や日本を代表するグローバル企業になり、世界の同業他社と盟主の座を争っているのですから、相当なものです。

そういう点では、ユニクロはここ20年間における最も成長かつ成功したビジネスモデルだと言えるのかもしれません。もちろん、陰にはユニクロのために閉店を余儀なくされた多くの紳士服店があちこちに存在しますが。

筆者は昨日も、収穫の時期を迎えた自家農園のソラマメの調理法をリサーチするために、クックパッドにアクセスしたのでした。良いサイトだと思います。

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