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インターネットとそのガバナンスについてつらつらと

Re: クラウドコンピューティングってやっぱりネットワークが肝だよなぁ

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なんか、タイトルがメール風ですが、山口さんに呼ばれたような気がしまして。

二つ目はとある方からとの雑談です。例えば日本に置いたサーバを使い、アメリカの支社にインターネット越しでアプリケーションをサービスしたいとしたら、回線の事情による障害を考慮しないといけない。どうやったらいいサービスができるだろうか。

これはややこしい問題です。日米間に限っても数多くのケーブルが通っていて、しかも学術ネットワークだったり最新のTbpsクラスの商用ネットワークだったりします。


おっしゃるとおりだと思います。

                    日米間ケーブルと言ってもユーラシアから流れてくるトラッフィックもあるでしょう。
正距方位図法もっとも直線的(単純に言うと、短い)な、ロシアを通るケーブルが開通しているんで、改善されているとは思うんですが、まだまだ日本から西回りでヨーロッパに行く容量は少ないと思いますね。だから、ヨーロッパ対地のトラフィックが米国経由になっているケースは、多いと思います。
           そういえばNコムさんもちょっと前にお買い得な買い物をしたようで。
これですよね。 PC1は世を轟かせたケーブルでしたねぇ。。つまり、このケーブル空ではないですよ。アップグレード(機器更新で帯域増設)って話有るのかも知れないですが。
こういう動きがあると、米国に設置された巨大DCから日本はじめアジアに向かってばんばかトラフィックが流れる未来というのが本当のものに見えてきます。KDDI+googleその他という話題もありましたし。
この話から、日本語のサイトでも米国のサーバホスティングを多用していた時代を思い出しました。 大陸間ケーブルが増設されても、それはタダと言うほど安くはない、むしろ高いですから、「ぱんぱかトラフィックが流れる」ことがあっても、多大なコストがかかっていると思いますね。
もし障害について考えるのであれば、多少お金を積んだからといって回線の真ん中が切れづらいとかいうこともなく千切れるときは全部切れるでしょうし、終端機器に安いのと高いのがあるということもないでしょう。つまりおいしいところとかはじっこというものはなく、おそらくは高い金を払えば障害時に別経路への切り替えがそれだけ優先的に行われ、また最初からある程度分散されているというような感じになるんじゃないかと勝手に想像しています。

海底ケーブルの障害なんて全然ないかと思いきや台風やら地震やらで発生するときはしますし、起きてしまったらもう地球の反対側を回ってでもなんとかルーティングしてもらわないと困ってしまいます。海底ケーブルはリング型に敷いてあるので2箇所切れない限りは大丈夫という気もしますが、どうなんでしょう。何年か前の台湾大地震があったときは日本にも影響が来ました。ああ、このへんのことをオルタナのネットワーク部隊に聞きたい……。


海底ケーブル(一般的には地下ケーブルでも同様)は当然のように二重化されるのが根本思想なのですが、余りに高いのでバックアップなし回線、なんて売り方もあるようですね。これはケーブルの帯域を買う場合の話。

例えばインターネットバックボーンだとすると、1本の大陸間回線が切れても、他の回線で十分に迂回トラフィックを捌けるように設計されている事業者を使えば、回線障害でサービスが停止しません。

ですから、「金持ちから先に切り替える」というより、「高いサービスは耐障害性も大きい」ということだと思います。

あと、台湾大地震、2006年12月でしたね。あの辺は「海底ケーブル銀座」みたいなことになっていて、ごく一部を除いて全てのケーブルが障害になりました。で、またごく最近台湾でケーブル障害がありましたね。

電源だと電力会社に頼んで2系統もらったりということがありますが、ネットワークだと違う系統の海底ケーブルに分散してもらえるように2系統もらうことってできるんでしょうか。ハワイ周りと北周りとか。しかも日本で陸揚げしている場所まで別になるように選びたいとか。あとは某大陸へ分岐していくケーブルはなんとなく有事にサイバー攻撃されそうだから日米で完結している経路にしてくれとか。ああ、このへんのこともオルタナのネットワーク部隊に聞きたい……。
事業者の根本的な考え方は、「何でも二重化」です。海底ケーブルのシステム,陸揚げ局,ルータそれぞれのレベルで single point of failureをなくす、と。ただ、大陸間はじめとする海底ケーブルは、そう簡単に異経路で2つのケーブルに帯域を確保できるとも限らず、理想通りに行かない構成で堪え忍んでいる、なんてケース、あるかもしれません。

日本と米国にしか陸揚げしないケーブル、あるような気がしますよ。

あとはプロバイダ間の接続です。国内大手ISP同士での接続はともかく、海外との接続となるとやはりプロバイダによる差が出てくるんじゃないかと思います。全然つながらないということはないにしろ、ホップ数が多くて遅延が大きいですとか、通信エラーがぽつぽつ出たとしても放置されるとか。これは、聞いてしまったら最後墓の底まで持っていかなくては……。

これは一言では言い尽くせないですね。高くて良いサービスを売る事業者もいるし、そこまで高級じゃないけど安いサービスを売る事業者もいる、ということです。あと、前の記事に書きましたが、なまもののインターネットを手間を掛けて運用するのは、結構大変な仕事で、そういう仕事をやっている事業者を捜さないといけませんね。

林さんのプライベートクラウドに関する記事を読みました。ここで紹介されているのは、クラウドに対して閉域網でつなぐパターンです。NTTcomやKDDIが、バースト可能なVPNを提供しています。こういう品目がキチンと準備されているということは重要だと思います。

AmazonEC2やGoogleAppEngine,Windows Azureなんかは、きっとコンピューティングリソースが地理的に分散していると思いますが、リソースをつなぐネットワークがどう設計されているか、非常に興味があります。その部分をインターネットに頼るケースはあんまり多くないんじゃないかと思うんですけど、果たしてどうでしょうね?

Comment(3)

コメント

いつも前村さんのブログから勉強させていただいています。ありがとうございます。海外との回線については、回線障害のほか、遅延も大きな問題であると考えています。経路にも大きく左右されますが、米国の場合は、150~250ms前後、都内の場合ですと2~5ms前後と言われています。特に海底ケーブルの場合は、障害も大きいので、障害+遅延のリスクは大きいと思います。そして、小さなデータで大きなトランザクションとなると、遅延が積み重なって処理が遅くなるということもあるでしょう。クラウドの普及に伴いトラフィックが海外に流れるケースも多くなると思います。海底ケーブルの保有や安全性や信頼性を高めるための経路設計等、益々重要になってくると考えています。

林さん,

そうですね。遅延については書かなかったですね。私がやっていたネットワークは、日本から米国西海岸で、100mSくらい、東はもう少し伸びる、ってのがベストでした。これも、物理法則(光速)だから換えられないですよね。

山口です。大変わかりやすかったです。
>なまもののインターネットを手間を掛けて運用する
の言葉はこれまでの自分に欠けていた視点と思います。調べてみるとクラウドサービスプロバイダの中にはSLAの応答性の項目の中で「ISPが遅いのはどうしようもないけど、うちもログから情報収集して良くないISPにはノウハウ指導などして改善していきます」というような項目があるところもありました。ユーザ側がパワー不足なときはそういうパワフルなクラウドサービスプロバイダと付き合うのもいいかもしれないですね。
ありがとうございました。

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