[書籍]売れる仕組みをどう作るか:もっと高速に失敗と実験を!
結局のところ、何かを評論していても、頭の中であーでもない、こうでもないとこねくり回していても、何も変わらないんだな、そんな思いがますます強くなったのが「売れる仕組みをどう作るか トルネード式 仮説検証(PDCA)」の読後の印象でした。
行動に移そう、と思わせてくれる本です。そして失敗に対する恐れや不安を軽減してくれる本です。更に言えば、そういった試みをうまく回すためのヒントを提示してくれる本です。
第1章では衰退組織のパターンを紹介しています。
組織の内側ばかりが気になり、上司が気になり、事なかれ主義を選ぶあまりにお客さんのことが疎かになる。現実から目を背けてしまう。そうやってどんどん手遅れになっていく組織があります。
第2章はトルネード式仮説検証の進め方を解説しています。この2章が本書の肝です。
PDCAを回す、ってよく言いますよね。でも単に回して同じ場所に戻るのではなく、永井さんの言葉を借りれば、トルネード状になっているわけです。最初のPと次のPは異なっていて、更に上の位置にある。
ついつい私たちは何かをやるときに「失敗したらどうしよう」と思ってしまいます。でも、それは失敗ではないんですよね。実験的に、こうやったらうまくいかなかったから別のやり方にしよう、って気づいて、次に進むために必要な行為なのです。それを恐れてしまうと進歩がありません。
3人しか賛同者が現れなかった事例が掲載されています。わかっていない人だったらそこで失敗だと思ってやめてしまうかもしれません。でも違うんですよね。次の手を打って進んでいきます。そして成功にこぎつけるわけです。
第3章は企業3社のインタビューが紹介されています。
トルネード式と名はついていなくても、みなさん挑戦し続け、仮説と検証をしっかりやっていることがわかります。
第4章では、実際に2章を読んで取り組んだときに湧いてくる現場での問題の解決策がFAQのような形で示されています。
北米、中国の同僚から永井さんが学んだことも興味深いものでした。完璧な資料を延々と作るのではなくて、無駄な時間を省き、今あるもので上司と話したり、挑戦のサイクルを早め、失敗をしても堂々として失敗の要因を示して次に進んでいく姿勢。
日経新聞の私の履歴書が好きでよく読むのですが、そこには成功した経営者が過去にどのようなことに挑戦し、どんな失敗をして来たかが書かれていますよね(今はジャパネットたかたの話で面白いですね)まさに、それなんだなと。成功者はたくさんの経験を積んでいるのに、私たちは、うまくいかないかも、とリスクを避け、実験もせずに、慣れ親しんだことにどっぷりとはまりがちになってしまいます。改めたいものです。
永井さん自身がまさにこのトルネードでどんどん上昇(進化)していかれていますね。会社員でブログを始め、ブログを自費出版し、ベストセラー作家に。今回の著書では100名以上の人にこの書籍のドラフトを公開し、コメントをもらったそうです。
早速私も、今抱えていることにこのトルネード式を取り入れて見ようと思います。
(こちらの書籍は、同じくオルタナティブブロガーでもある永井さんからお送りいただきました。ありがとうございます)