[広報]11月27日のITマーケ広報meet up 2013のプレゼンとパネルディスカッション
大変遅くなりましたが、11月27日のITマーケ広報meet up 2013のプレゼンとパネルディスカッションを少しだけこちらで振り返りたいと思います。
イベントについてはこちらをご覧下さい。
まずはプレゼンから。
株式会社KADOKAWA TECH.ASCII.jp 大谷イビサ 様 にお話頂きました。IT業界であればほぼ誰でも知っているであろう有名な記者です。
IT業界にPR会社は必要か?~IT媒体に記事を書いてもらうには?~
です。何を隠そうこの私も今はPR会社経営兼ブロガーですが、元々アスキーで記者をしていたので、ある程度の記者側の状況と、広報の方法を間違えてしまう人たちの状況は分かります。過去にアイティメディアの誠ブログのほうでは、PR会社はいらないというタイトルで講演をさせていただいたこともあります。そんな中、イビサさんがどんな風にお話しされるのか、とても興味がありました。
イビサさんのプレゼンの全体のお話は、スライドの公開を待つとして(12月16日追記。公開されましたのでリンクを下の方で紹介します)、後半の事例を少し紹介します。4つの事例が紹介されたのですが、2つを取り上げます。
事例1:発表会の内容について書かれた記事を見てベンダー側から記者に連絡し、そこから詳しいインタビューにつながり多くの人に読まれ、反応も良かった
事例4:ベンチャー企業の社長からFacebookで連絡があり、取材し記事化
この2つに共通するのは「記者に連絡」という部分だと思います。そしてその「連絡」がプレスリリースではない点です。(参考:新製品だ、さあプレスリリースだの脊髄反射)この部分だけでも、とにかくプレスリリースさえ送りつければ良いと思い込んでいる人には目から鱗なのではないでしょうか。
待っていて(インバウンドで)取材が来るのは、ある程度話題になり「キャズム越え」した企業ばかりです。アウトバウンドは非常に重要です。でもその方法はプレスリリースには限定されないのですよね。
そして、このスライドではベンチャーではPR会社はいらないとあったのですが、これは私も同感です。もう少し会社が大きくなると、社長が自分で記者に連絡するという行為ができなくなってきます。どんどん多忙になる時期が来ます。「誰か詳しい人にお願いしたい」その時が、社内に広報担当を雇ったり、PR会社に連絡をする時期ではないかなと。
他方、PRが苦手なタイプのベンチャーの社長もいます。記者の友人はたくさんいるものの「うちの会社も取材してよ」がなかなか言えない人も。また、やり方自体がわからずに、製品はいいのに全くメディアに出ない。そういう会社もあります。そんな場合はやはり社内に社内に広報担当を雇ったり、PR会社に連絡をするタイミングだと感じます。
最後にイビサさんのスライドでは「近江商人になれ」という言葉が出て来ます。クライアントと自社のことだけではダメなのですよね。どう「三方よし」を実現するかを考えたいなという気持ちにさせられる内容でした。
続いてパネルディスカッション。タイトルは
「良い広報、悪い広報?記者がうれしいコミュニケーション方法は?」です。
登壇者はこの三名でモデレーターは私(加藤)がやりました。
ハフィントンポスト 編集長 松浦茂樹 様(左)
Engadget日本版 編集長 鷹木創 様(中央)
朝日インタラクティブ ZDNet Japan 編集長 怒賀新也 様(右)
お題はこんな感じでした。
「こんな広報は嫌だ」
「過去によかった広報は?」
「毎晩記者と広報が一緒に酒を飲む必要はあるの?」
「記事はどう選定するの?」
「どうしても親しい広報担当者の記事が増えるの?」
「押しが強い広報、どう思う?」
「広報は若いキレイ女子がいいの?」
「記者会見出席しますか?という電話。どう思います?」
「今後、メディアと広報の関係はどうなっていくと思いますか」
微妙なニュアンスが伝わりづらかったりするので、一部を少しだけ紹介したいと思います。
「こんな広報は嫌だ」
プレスリリースを送り、その後連絡先がつながらない広報は記者にとって迷惑のようです。というのも、疑問点を確認したりするときに電話をすることがあるからです。
「記事はどう選定するの?」
これは、当たり前かも知れませんが「読者に役に立つ内容、興味を持つであろう内容」が選定されるとのこと。確かにそうですよね。そう考えると媒体の特性に合わせた情報をお伝えするのがよさそうです。
「広報は若いキレイ女子がいいの?」
この話は実はIT業界でよく聞かれることなのです。大企業だとベテランの男性の広報が多くいるのですが、IT業界は女性の広報が多いように感じられます。回答としては概ね関係ないということでした。身なりが整えられていれば確かに印象も良いですが、もちろん中身が重要です。
「記者会見出席しますか?という電話。どう思います?」
これはよく問題にあがる話です。記者の方は社内にいるときは集中して記事を書いている事が多いのです。それをたびたび中断する電話。でも、電話をかけるほうは「会場でコーヒーを注文するから人数が知りたい」「資料を印刷するからだいたいの出席者数を把握したい」「お客様から電話をかけて人数を確認して報告するように言われた(PR会社)」というようにいくつかの理由があるのです。これについては
既に把握しているものを何度も連絡されても状況はかわらない。
メールを見逃しているものは電話をもらえるとありがたい。
という話も出ました。やはり程度問題でしょうか?
他にもいろいろありますが、ブログではこの辺りでとどめておきます。
長時間に渡り、ボランティアで登壇くださった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。