悩ましき日々の始まり
2010年3月21日
産めそうな(=出産が可能な程度年の離れた)お嬢さんたちに混じって
「荒天につき、開場が30分遅れます」
というアナウンスが響き渡っている、
東京ビッグサイトのだだっ広い空間に整然と並べられた
年季の入った長机の前に、
私は座っていた。
なぜこのようなことになったのだろう?
それは、一年ほど前に遡る。
なにかにハマることは恋に似ている。
恋の矢が刺さるように
萌えの矢が刺さる瞬間がある。
若者についていけるだろうか、とため息をつく
「それ」に遭遇した時、
萌えの矢は私の脳を貫通し、
脳内にそれ専用の回路ができてしまった。
多少なりとも関連性のある事象や風景の中に、
脳内でその姿を合成したり、
架空の物語をつむいだりしてしまう妄想回路だ。
気になりだすと、常に彼のことを考えている。
寝ても覚めても彼の顔がちらついて仕方がない。
というのは、恋するオトメの反応だが、
今回のそれが今までとは違うのは
その対象が「二次元キャラ」だったことだ。
そのキャラクターイメージを
脳内で独自に分析し、解釈しつつ膨らませていく。
やがて、原典となる作品の中のキャラクターに
勝手に膨らませたイメージが融合した
キャラクター像というのが出来あがる。
二次創作の始まりである。
気になるヒトやモノに遭遇し、、
脳内がそのイメージでいっぱいになると、
アウトプットのために絵に描いてしまう、というのは
多少なりとも絵心のある人なら解ってもらえるんじゃないだろうか。
そうして描き散らかしているうちに
気が済んでしまうことも多いのだが、
今回の「病」は少々深く、
仕事の合間についつい
「それ」を落書きしてしまうほどになって、
私は、
デスクの前に「○○禁止」の張り紙をした。
09年の春のことだった。