ブログの濁流に埋没するナレッジを再利用したい(1)
昨日のエントリーでフロー系のツールでストック系の情報を扱おうとすると問題が起きやすいと書いた。その舌の根も乾かないうちに何だと思われるかもしれないが、最近ブログ上のナレッジを上手に再利用する方法を模索している。具体的には過去に書いたブログの関連エントリーを後から読みやすくする方法を考えているのだ。
個人的に、ブログとは基本は個人の気づき情報の時系列での表出化ツール、すなわちメモ書きおよび備忘録としての活用で最も効果を発揮すると考えている。これが昨日のエントリーでブログをフロー系に分類した理由である。そして以前「社内ブログについて(その2)」や「イントラ・ブログの可能性」というエントリーで書いたようにブログは表出化した後の情報の再利用や体系化を苦手としている。
実際に私個人もここでブログを書き始めてそろそろ1年を迎えるが、過去のエントリーと最近のエントリーを上手に連携させることが未だに上手に出来ない。それは結果としてこのブログのアクセスログを解析したときにブログ内での滞留時間が異様に短いということにも現れている。多くの閲覧者は最初に見た記事だけかもう1つくらいの記事を見るだけでこのページから去っていくのである。ブログの特徴であるパーマネントリンクだからこその問題である。
この問題は組織内の暗黙知を表出化させてナレッジを再利用させようという意図を持つイントラブログの場合により致命的になる。日々の業務の中で流れていくフローの知識をブログで都度共有するだけでも効果はある。しかし組織内の各個人が乗っている時間の流れはまったく同一ではない。だからしばらくの時間差を置いて、過去のあの時のノウハウが欲しいとか昔同じ事をやった人はいないかと捜すことはよくある。そんな時に関連コンテンツを上手に手繰るにはどうすればよいのだろうか。
そんなわけでブログでのナレッジの整理や再利用を促進させる手段や機能をもう少し実験する必要があると考えて、このところこのブログを使っていくつかの実験を始めた。試しているアイデア自体は、自分が逆の立場としてインターネットで興味のあるテーマに関する話題を様々なブログから探しているときに、どのようにエントリーが整理してあると便利かという視点から出したものである。
まず一番最初に着手したのがカテゴリ欄の整理。フローの情報ツールであるブログの情報をストック的に活用する方法としてカテゴリーの有効活用は必須だろう。カテゴリを整理することである特定のエントリーに興味を持った閲覧者が関連エントリーを同一カテゴリから探しやすく出来る。この目的に沿って当ブログのカテゴリを再設定してエントリーも再整理をしてみた。
このときに考えたカテゴリ整備の方針は一つのカテゴリ内のエントリーが適度な数になるように分けることだ。後から関連をまとめて読むという趣旨に沿って各カテゴリーの記事数をあわせる方向で作業をやってみた。具体的には20を越えたら分割を検討し、2つか3つしかエントリーが無いときは他のカテゴリーとの統合というのを考えた。逆にカテゴリー内の数のほうを主に考えたので、カテゴリーの種類や大きさなどの粒を論理的に揃えることは諦め、同じ趣旨でひとつのエントリーへの複数カテゴリ付与もよしとした。
左がこの結果のカテゴリーである。どうだろうか?少しは使いやすくなっているだろうか。
しかし再整理の過程で判ったがカテゴリは定期的に整理しないといけないようだ。ブログがフローのツールである所以のように、ブロガーである自分自身が取り上げるテーマが日々変わっていくのでカテゴリーがどんどん偏っていくのだ。定期的に偏ったカテゴリを分割するという作業が必要になりそうだ。
(長くなったので次回に続く)