一世を風靡したNotes/Dominoをjava開発基盤にするという案?
先日、日経xTECHのサイトに「あのIT製品は今」というシリーズの記事が上がった。元は雑誌日経SYSTEMSの5月号に掲載された「あの一世風靡製品をモダナイズ!」という記事である。かつて一世を風靡した製品として
- FileMaker
- Notes/Domino
- PowerBuilder
- IBM MQ
- HULFT
の五製品が取り上げられて、それぞれが今の時代でどう活用されているかが紹介されていた。面白かったのはMQとHULFTでクラウド時代にあわせて、最近ではオンプレとクラウドやIoT基盤との連携に使われるように変換してきているそうだ。
さて、この記事の中で私がおやっ?と思ったのは、やはりNotes/Dominoの項。バージョン8.5からサポートされたXPagesという機能を使って中堅中小向けのWeb開発基盤としてNotes/Dominoを活用しようという提案?みたいなものが書かれていた。
いやいやそれはちょっとどうなのか。JSFに似ていてJavaのサポートが本格化したからNotes/DominoでJavaを使ったWebページを開発しようと言っているようだが、それはあまりにも(Notes関係の)開発者側都合過ぎないだろうか?JavaをベースにしたWeb開発を行うのなら、最初からJavaに特化した開発基盤を使ったほうがより効率的だろう。IBMというシングルベンダーでしたサポートされないNotes/Dominoではなく、OSSなどの業界標準的なものを使ったほうが、将来的な技術者の確保も容易いし潰しもきく。なぜゆえXPagesなどという、もはやNotes界隈でも語られることの少なくなった機能を使おうというのだろうか。
例えば大企業などで、過去にNotes/Dominoで開発したコンテンツがありそのための大規模Notes/Domino基盤が整備されており、その中でいくつかのコンテンツをJava化してWeb化したいならこの選択肢はあるかもしれない。しかしそうでないのに中堅中小向けに一からNotes/Dominoを売ってはだめだろう。
ツールにしがみつくのでなく、もっと顧客視点でテクノロジを捉えてほしいものだ。もっというと、記事の最後には昨年秋に発表されたNotes/Dominoのロードマップが発表されて、新バージョンの10の目玉機能はモバイル強化でが目玉でNotes/DominoのアプリがiPhoneやiPadで動くようになると高らかと宣言されており、なんかIBMの開発方針自体がずれていると言うか2周以上周回遅れになっていて目を覆いたくなる。
該当記事はWeb上での無料の購読期間が終了して、元記事は会員限定の記事になってしまって全文は読めなくなっているけど、Notes/Domino以外の製品の項は面白かったのにそこが残念だった。