トークノート社主催のセミナーでセクションエイト社における社内SNSの導入事例を聞いてきました
この業界で情報共有系を永く担当していると、定期的に来る引き合い(問い合わせ)というのがある。その一つが社内SNS(最近ではビジネスチャットとも呼ばれる)に関するものだ。だいたい半年に1回くらいのペースで、社内のコミュニケーション改善等を目的として社内SNSを入れたいという話がくる。
そんなわけで、定期的に最新事例の収集も行っているわけだが、その一環で一昨日はトークノートさん主催のセミナーに参加してきた。
六本木にあるトークノートさんの綺麗なオフィスで少人数で開催された「社員が愛する会社に」というタイトルがつけられたセミナーである。メインは社内SNSツールであるTalknoteの導入企業であるセクションエイトさんへの導入事例の話。
セクションエイトさんは、相席屋やPUBLIC Standといった業態で全国80店舗を運営する会社で、恋愛を創る事業をコンセプトに飲食店を通した人材育成を行っている企業だ。
社員は全国で1000名(アルバイト含む)だが、Talknoteは7年前からそのうち社員200名で利用しているとのこと。アルバイトについては、別途に店ごとのLINEグループを設けて企業理念の共有を目的としたコミュニケーションをしているそうだ。
Talknoteの導入のきっかけは、店舗の全国展開により社員のつながりが希薄化し顔も名前もわからない人が増えてしまったことからだそうで、Talknoteの活用により企業理念の共有や帰属意識の強化に繋がっているとのこと。
実際のTalknoteの使い方としては、社員の顔写真付の自己紹介や決意表明を掲載するプロフィール情報の共有だけでなく、新作レシピや売上報告、入金確認、コンプライアンス通達といった業務連絡インフラとしても活用されていた。
お客様からのフィードバックとしてお褒めの言葉だけでなく、店舗で知り合っておつき合いを始めたお客様からの良縁報告もチャットに載せて全社で共有しているところなどは、中々にユニークだし、プロフィール情報の決意表明は仕事以外の事を書いても良い事にしているのは上手いなぁと感心。
社内SNSツール'や社内チャットツールについては、数年前から流行り一時期は雨後の竹の子のようにいろいろなツールが乱立していたが、最近は淘汰というか住み分けが進んできた気がする。
IT系の企業などプロジェクト運営が中心で、メンバーのITリテラシーが高い企業にはSlackが人気だが、ITリテラシーがそれほど高くない国内企業にはやはり日本人好みのインターフェースを備えたCharWorkやTalknoteが人気だ。
Talknoteについては登場当初から外食チェーンなどを得意にして来ていたと記憶するが、最近は社内SNSではなくエンゲージメントクラウドツールを名乗るようになり、特に人と人とのコミュニケーションや関係性の強化に注力しており、タスク管理や進捗管理といったプロセスマネジメントよりも、企業理念の浸透のほうがより重要視される業界にはあっているのだと思う。
実際に多店舗運営を行う企業の所属する大半の社員にとっては、PCで作業することは仕事の中心では無い。仕事のメインは接客や商品管理であり、メールや報告書はその為の手段でしかない。
したがって、こうした業態においては、全社員にPCやメールを配備するよりも、より手軽でコミュニケーションに特化したツールが適していることは多い。
社内SNSやチャットを導入しようとする際に、よく質問されるメールとの使い分けはどうするんですか?、という質問はこの業態の場合はあまりあてはまらないのである。
同じような業態として、アパレルチェーンやドラッグストアなども該当するし、製造業でも工場などでライン従事者についてはメールの替わりにチャットで十分という考え方はありだろう。
当日は、セクションエイトさんの事例だけでなくトークノートさん自身における従業員エンゲージメントへの取り組みの内容も紹介されていて、そちらもまた非常に面白かったのだが、その話はまた今度に。