農林水産大臣賞は「安全」と「品質」への評価☆
『食在下関』 ‥‥「食は下関に在り」 と読みます。
これは、昨年度下関商工会議所が行った 「下関ブランドを目指した安全・安心名産品開発事業」 のテーマ。 全5回の 「しものせき発銘産品開発セミナー」 が開催され、最終講座を私が担当させていただきました。(以下、ご参考まで)
- 百貨店のマーチャンダイジングとアジア市場の可能性
- 新製品開発における進行管理と最近の業界動向
- 価格政策とマーケティング戦略の基礎知識
- 消費者の完成に訴求する良質なデザインとは
- 売上も知名度も仕掛け次第!eビジネス販売促進最新事情
昨年・一昨年と2年連続で行った下関、今年の秋は行く機会もなく終わっちゃうなぁ~と淋しく思っていた矢先、とっても嬉しいお知らせが受講生のお一人から入りました。
それが 「第18回全国水産加工品総合品質審査会*で農林水産大臣賞を受賞しました!」 という朗報だったのです。
消費期限や賞味期限、原材料等の食品表示偽装問題が相次いで露見している 「利益至上主義」 のような状況下、“品質審査会” において最高の賞をいただいたなんて、何と気持ちのいいことでしょう♪
わがことのように歓喜している私、実はこの受賞商品 『祝いうに』 の名付け親なんです。(^_^)
*水産加工業者の生産、技術についての意欲向上を図るため、各地の水産加工品等を一堂に集め、品質向上の観点から優秀な製品を厳選して表彰する、全国水産加工業協同組合連合会の審査会。
「しものせき発銘産品開発セミナー」の受講者は全員仕事をお持ちなので、当然のことながらセミナーは夕方から。
日中の時間を何かに使えないかな??と考えて、一昨年のセミナーを受講してくださったみなさんに 「個別コンサルのご要望があれば、早めに入りますよー!」 とご連絡を差し上げてみました。
その時、即行でお返事をくださったのが 「やまみうに」 のブランドでご存知の方も多い、 下関水陸物産の嶋田寿美子さん。彼女は、業務管理を行いながらオンラインショップの店長もこなすパワフルなワーキングマザーです。
<開発途中(ほぼ完成)の商品に魔法をかけて欲しい!>
彼女からのいくつかの依頼のうちの一つがコレで、開発中の新企画商品というのが今回受賞の 『祝いうにの詰め合わせ』 でした。
旨味が強くてご飯によく合う金箔入り 「金の粒うに」 と、塩分控えめの尖った味でお酒にぴったりの銀箔入り 「銀の粒うに」。 そして、金銀のセット。
敬老の日も近いし、秋のブライダルシーズンも目の前。 金銀をセットにするなら、木箱に入れて、ご要望に応じて水引をかけて。。。商品名は金銀を使わずに『祝いうに』で行きましょう☆
これが、私の魔法でした。
でもまさか、一年後に農林水産大臣賞をいただくことになるとは
今年の受賞は3品。
一つは、モンドセレクション最高金賞にも輝いた博多ふくいち(福岡県粕谷郡)の 「辛子明太子」 、もう一つは山七(静岡県焼津市)の 「鰹本節」 でご存知にんべんの協力会社。
これらに、『祝いうに詰め合わせ』 という “あの時の” 企画商品が並んだのです。
こういうことがあると、ほんっと、コンサル冥利に尽きるなーと思います。
ネーミングの魔法 ── ふと思い立って、言葉の感性研究の第一人者である親友・黒川伊保子女史に尋ねてみたところ、こんな返事が戻ってきました。
いわいうに。
「わ」 は、u + a の母音変化で出す音。
ということは、i u a i u N i と、ほとんど母音でできたネーミング。
共感する優しさで満ちています。
たいせつなひとの祝い事を共に喜ぶ印象が伝わります。
「祝いうに」 をいただいたら、贈り主の 「たいせつ」 が伝わります。
「金銀詰め合わせ」 をいただいたら、贈り主の 「どーだ!」 という気持ちが…
金銀の語感は、唯我独尊なのよね。
それに較べたら、いわいうに、格段に消費者目線の深いネーミング。
さすが、kikoさんね!
商品名の 『祝いうに』 という音には、本当に魔法があったんですね。
(私の考えるネーミングは偶然?いつもアタリなので、音についてはちょっぴり自信があったりします/笑)
でも、水引サービスやネーミングの魔法だけでは受賞できません。
食品衛生や安全性のための国際基準(HACCP)の取得もしかり、60余年の間、安全と品質の向上にたゆまぬ努力を続けてきた 「やまみ」 ブランドへの評価が、農林水産大臣賞受賞となったはず。
寿美子さん、下関水陸物産のみなさん、本当におめでとうございましたっ!!!
ブランド名の力で取引先や消費者を 「安心」 させ、何をやっても何とかなると安心してしまうと、ブランド力失墜を招くのはご承知のとおり。
その逆で、本気で 「安全」 と 「品質」 を追求し続ければ、必ず評価は得られ、それが大きな付加価値となってブランド力の向上に繋がります。
それを証明してくれたような今回の受賞、日本中に点在するであろう 「利益至上主義」 モードからなかなか抜け出せない企業の人たちに、声を大にして伝えたい気持ちです。