スマートフォン市場(4Q'11)~iOSの躍進~
Gartnerから4Q'11のスマートフォンOSシェアが発表されました。 スマートフォンOSシェアをグラフ化してみました。
■スマートフォンOSシェア(1Q'09 - 4Q'11)
■スマートフォンOSシェア(2007 - 2011)
(出展:Gartner)
2007年にはSymbianがほとんどシェアを握っていたのですが、現在Androidにとって替わられました。また、RIMは出荷台数こそ微減ですが、シェア低下が止まりません。CEO交代したように対策が必要であることが分かります。
iPhone 4Sの勢いがすごすぎてちょっと驚きますが、Appleの年に1回のリリースをする限りは、このようなシェアの増減が行われるでしょう。
2011年のスマートフォン出荷台数が4.72億台でした。PCは3.53億台でしたので2011年には両者が逆転しました。2010年がPCが3.49億台、スマートフォンが2.97億台でしたので、成長率の差は顕著です。
ついでに前回に2011年のスマートフォン出荷台数を"46,700万台が下限で48,000~50,000万台"と予想していましたが、下限よりちょい上でした(ある意味外れた)。
2010年秋に書いた"スマートフォンの出荷台数はいつPCを抜くのか"において2011年にスマートフォンがPCを抜くと予想したのが当たりました。ただし、四半期の逆転は2Q'11と書きましたが、4Q'10でした。私の予想よりもスマートフォンの出荷台数が伸び、且つPCの成長率が低下しました。
スマートフォンの躍進はAndroidとiOSです。スマートフォンとPCの出荷台数ばかり比較していますが、AndroidとiOS(スマートフォンとメディアタブレットも)の出荷台数も比較してみます。ただしAndroidタブレットだけは現在正しい情報が出ていないため、予想値を使っています。たぶん今出ている数字よりも500万台前後は増えると思われます。数字は全て万台です。
■出荷台数
Year | Android (Smartphone) |
Android (Tablet) |
iPhone | iPad | PC | Mac |
2007 | 0 | 0 | 371 | 0 | 26,802 | 776 |
2008 | 64 | 0 | 790 | 0 | 30,156 | 992 |
2009 | 679 | 0 | 2,489 | 0 | 30,626 | 1,123 |
2010 | 6,722 | 251 | 4,660 | 1,479 | 34,899 | 1,443 |
2011 | 21,944 | 1,102 | 8,926 | 4,049 | 35,342 | 1,780 |
■出荷台数(修正)
Year | Android (合計) |
iOS (合計) |
PC - Mac |
2007 | 0 | 371 | 26,026 |
2008 | 64 | 790 | 29,164 |
2009 | 679 | 2,489 | 29,503 |
2010 | 6,973 | 6,139 | 33,456 |
2011 | 23,046 | 12,975 | 33,562 |
2007年にはAndroidは0で、iOSも非常に小さい存在でしたが、現在PCを脅かす台数になっています。iPod touchもカウントしていなかったり、スマートフォンでないAndroidもカウントしていないため、両者はもう少し多い出荷台数だと思われます(iOSは正確な数字は出るかも知れませんが、Androidは実質難しい気がします)。
Androidの伸びを見ていると2012年には2011年の1.5~2倍の可能性があります。PCはWindows 8の登場で伸びる可能性がありますが、最高で4億台、悪ければ2011年と同じ程度でしょう。
このため、2012年にはAndroidプラットフォームがPC(Windows)を抜く可能性があると思っています。70%以上の確率で。
iOSもうまくいけば2億台の大台の突破の可能性もあります。噂ですが、横長のiPhoneや8インチiPadが出てくれば2億台の数字もやすやすと超えるかも知れません。
MicrosoftがWindows on ARM(WOA)でメディアタブレットに対抗しようとしていますが、伸びを考えるとWindowsが開発の最優先プラットフォームでなくなりそうな感じします。
Androidが今後はメディアタブレットで革新的な製品、クラムシェル型(今も出ていますが)、Windowsのデュアルブート版をだすとかの話も出ているため、出荷台数の伸びは予想を超える可能性は十分にあります。
スマートフォンがPCの出荷台数を2011年に超えました。これはエポックメーキングと言えることでしょう。ですが、2012年にはまた違ったターニングポイント(AndroidがWindowsを抜く)を向かえるのではないかと思われます。