「久間 防衛相 原爆使用容認発言で辞任」で思う
ビジネスの世界において、反省、学習、新しい方針作りが大切である。 歴史は繰り返されるし、結果がどうであれ様々な企業や人の知恵と工夫がつまっているからである。 「経験にとらわれ過ぎてはならない」が「過去を学習し、現在の状況に合わせて新しい方針を作る」ことは非常に重要である。
当社も3ヶ月ごとにLessons learned、What worked、What didn't workなどを整理して新しい方針、戦略、アクションを組み立てている。
また、無宗教、無党派、無思想の私にとって歴史に基づく哲学が唯一の拠り所で、人が(会社や国の)歴史を背景にどのような方針を持つのかがとても気になるのである。
私はここで、今回の「原爆しょうがない発言」に対して、特に非難するつもりもない。 ひとそれぞれ、意見や信念を持っているのだから。 しかし、久間 防衛相が歴史から何を学んできて、今、どういう方針なのかに興味があった。
彼は、「ソ連が来ていたから、米国が原爆を投下するのは、しょうがなかった」ということを言ってたようである。 彼の歴史から学んだ結論は「敵対する国がどこかの国に戦争を始めた場合は原爆を使用して一般市民を殺してもいい」という方針と私は受けとめられた。(戦後まもなくのアメリカでは非常に一般的な考えだそうだ)
そういう方針なら、そのように言えばいいのである。 「説明不十分だった」と今、言われているが、その「不十分」だった部分を説明して欲しいのである。 多くの人が、そこに興味を持っている。
選挙前だから発言に気をつけるように首相から言われたようだが、堂々と意見として言うべきだろう。
年金問題に関しても、当初、首相は「領収書もないのに、誰にでも払うわけにはいかない」と言われていた。彼が、今回の年金問題から学んだ結果の彼の方針は、民間の銀行や保険会社が同様に「預金記録が消えた」という事態が起きたときに「証明できる人にだけ払えばいい」という方針に立つということだ。
選挙前なので、発言を撤回して変更し「最後の一人まで」の発言になったが、恐らく選挙のことを除けば、彼の方針は、最初の言葉なのだろう。
これらの問題は、過去の反省が足らないというより、客観的な分析が不足しているのだろう。 企業であれば致命傷である。 今年も既に半年が過ぎた。 自分の過去の行動と結果を分析し、今年後半の新しい方針、戦略、アクションを考えようではないか。 そして、誤解されても、しっかりと説明ができるような信念と方針を持ちたい。
<予断>
ちなみに私は広島生まれである。 私が生まれる17年前に広島に原爆が投下された。
私が生まれたころには表向きには復興し、東洋工業(マツダ)がキャロル(1962年)やをヒットさせていた。 親父と錦帯橋の下の川原にキャロルで家族を連れて行って、帰りには坂道を登れず何人かに押してもらったり、3輪トラックに引いてもらったのを覚えている。
大和を作った呉も再建され、海岸沿いには三井、三菱など多くの石油化学プラント(プラスティック材料工場)が作られていた。 私の父も航空自衛隊で岩国基地にいたが、海上自衛隊に移管タイミングで三井石油化学に転職。
広島カープは経営難をNHKのプロジェクトXで放送された「史上最大の集金作戦」でのりきり、既にマツダがスポンサーになっていた。 1975年の初優勝までは、常に最下位というイメージだったが、原爆投下から数年後に広島復興のために作られたこのチームは心から県民に愛されていた。
しかし、原爆症患者に関するニュースが多く、街中には政府と戦う抗議行動を多く見かけた。 また、市内は非常に荒れた雰囲気があり、ヤクザやチンピラが非常に多かった。
追悼記念の行事も多くあったが、子供心には暗い行事が多くていやだと思っていた。
荒んだパワーと、復興に向けたパワーが同居していたのが当時の広島であった。
今、広島の景気はけっして良いとは言えない。 あの、復興した時のパワーに学び、荒んだパワーは廃絶し、現在の状況を分析し、新しいビジョンを描き、再度、素晴らしい企業と人を輩出して欲しいと願っている。
p,s 広島を愛する気持ちもあり、ITからそれた。 明日からもとにもどすことにする。