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ビジネスとお父さん業のスキルを向上するIT活用術

木村さん と コラボろう!

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 今回から、コラボレーション/グループウエア業界で働いている方を紹介して行く。 今回は「木村さん」とコラボってみたいと思う。

 Lotus Notes/Dominoの開発元である、米国のIrisに勤務していたこともある技術者、木村さんが私のチームに来た。 私は、この会社に来て、これほど素直で純粋な若者(見た目は20代、実際は30代半ば)を見たことがない。 それでいて、どんな偉い人に対しても臆せずにタメ口で話す度胸?を持っている。 

<欽ちゃんとパソコンとの出会い>
 パソコンとの出会いを聞くと 「小学生の時の欽ちゃんです」と答えが返ってきた。

「欽ちゃんの仮装大賞(第13回)ってやつに出演したんです。」 パソコンと欽ちゃん?関係がわからない。
「私が中学生の当時は、ちょうど一般庶民にパソコンというものが出始めていた頃で、新し物好きの私なので欲しくてたまりませんでした。 でも、小学生の私にそんな高価なものが買える訳がありません。バイトも年齢的に無理。 親にも期待できそうにない状況で、目をつけたのが欽ちゃんの仮装大賞でした」
 え、テレビに出たの? すごいね。 「何度も挑戦して、ようやく出演。 テレビにも映りましたよ。 それに、出演だけなら1万円なんですが、なんとユーモア賞の10万円を頂きまして念願のパソコンが買えました」
 仮装大賞では、なにやったの? 「題して”もみじ”という一発芸です。私が裸で木の格好をして立ってて、友人がおなかを強く叩きます。パシン!パシン!とね。 そうすると叩いた手の跡が赤くなって、もみじ~!と・・・」 ははは、それは面白い。
「それからずっとパソコンばっかりやっております。小学生でパソコンマニアになり、結局、気がつくと仕事になっておりました。 自宅でもテレビを観る時間よりパソコンを見ている時間の方が圧倒的に多いほどです。 ところで、欽ちゃんはまだ現役なのでしょうか。 パソコンとノーツに巡り合わせてくれた欽ちゃんには感謝しています」

<憧れのロータスへ>
 ロータス社には、日本のコンピューターメーカーやSIベンダーから来た個性的なソフトウエア技術とマーケティングの専門家が沢山集まっていましたが、彼も典型的な日本企業の技術者であり、転職前は医療関係のソフトウェアを開発していた。
 しかし、業務システム開発ではなく、利用者の目に触れるような先進的なパッケージソフトウェアの開発に憧れていた彼は、何気なく立ち読みしたIT系転職誌に掲載された憧れのロータスからの求人を見た。 英語にはまずまずの自信があったが不安を抱えながらも応募。 いろいろな試験を通過してロータスに入った。  それ以降、ロータスの開発部門でNotes/DominoやNextGenの国際化開発に従事 1999年頃から4年ほどLotus Notesの開発元である米国 Iris Associatesに勤務。 このオルタナティブブログのブロガーである竹内さんが当時の上司であった。

<Notes/Domino開発の中枢へ>
 Iris のオフィスは、Bostonの北のWestfordの森の中にある。 紅葉がとてもきれいであるが、雪が降ると2mほど積もり雪景色も綺麗なところであった。 たまに鹿があたりまえのように散歩していたりもする.。 そして、ロブスターが美味しい(海でロブスターが採れますがもって帰ると罰金)。 木村さんにIris時代のことを聞いてみた。
 「オフィスの中では一人3畳ぐらいの部屋があてがわれ(Tim Halvorsenのオフィスなどは別格でビリアード台とかもある凄い部屋でした)、テレビを置いたり熱帯魚を飼っている人もいます。 なぜか住み込み状態で帰らないオフィスに楽しんで泊り込んで人もいます。 ページdownキーで1回スクロールしただけでソースコードを理解する人や、ビルド(作成したプログラムをコンピューターで動作するようなバイトコードに変換すること)もできないバグを入れてしまい、朝呼び出しを食らう人もいます。とにかく色々な人がいた」とIris時代を楽しそうに話す。 「一つ心残りがあります。 窓側の部屋になれなかったことです。 窓側の部屋になると、景色も素晴らしく、自然と仕事がはかどります。 実はこの窓側の部屋ですが、貢献度が高い人が優先的に座っているようなのです。 私もいつかは窓側に... と夢描いていたのですが、その思いだけは実現できませんでした。」
 Notes/Dominoに関する開発部門しかしらないような必殺技あります? 「面白ネタは他のブロガーに任せるとして、私は”面白いネタを探すネタ" をご紹介したいと思います。実はノーツ上でエンジニアが秘密の機能を入れたい場合、Shift+Ctrl キーを組み合わせることが多いです。例えば、現在は公開されていますが、ビュー上で Shift+Ctrl+F9 キーを押すとビューの再構築ができたりします。また、Shift+Ctrlを押しながら[表示 -> 移動] を選択すると、普通では出てこない隠しビューも表示することができます。Shift+Ctrlを押しながら色々と実験してみると面白いと思います。」 
- Notesの歴史
- Iris Today Archives

<Lotus Notes/Dominoの魅力>

 Lotus Notesの開発の一翼を担ってきて、長いんだけど、今、Notesについてどう思う? 「ノーツは世界中の先進企業のコラボレーション、情報共有ノウハウの集大成です。 でも、”こんなに沢山機能があっても誰も使わないよ”とか言われることありますよね。 でも、それって私は違うって思うんです。 私も使ったことない、必要の無いと思える機能って沢山あっるのですが、その機能が大好きで便利に使っている人が私の周りにも居たりすんですよ。 結局その機能がいるかいらないかなんて、人それぞれの価値観によりますよね。  ”こんな風に共有したい。 こんなワークフローしたい”などと考えたときに、ノーツが持っている、それらの機能が、突然意味があるものになるんです。 そういった意味で、ノーツは魅力的なんです。 目的意識を持ったら、必ず応えてくれる、かわいいやつです。 世の中にあるコラボレーション環境では、最高の製品だし、一番多くのユーザーにご満足いだだける物だと思っています。 ただし、情報共有もコラボレーションもやる気がないけどとりあえず、、、なんて人には良さがわからないのかもしれません。 期待をすれば応えてくれる製品なのに。」
 
<最後に>
 今後、Lotusブランドとしてどのような活動をしていこうと思っていますか? 「私がこうして楽しく働けるのもお客様が居るからということに他なりません。 まずは、日本でLotus Notesを利用されているお客様の声をしっかりと開発部門にインプットすることでLotus Notes/Dominoユーザーに貢献していきたいと思います。
また、ノーツは充分な機能を持っていますが、この業界の進化はとてつもなく速いです。 Lotus Notesを愛すると共に、これからも時代の潮流をしっかりととらえていきます。 私は今は開発の一線を離れてしまっていますが、優秀で情熱を持ったエンジニアが沢山がんばっております。 彼らと継続的にコミュニケーションをとりながら、今後出てくる Hannover の世界を楽しみたいと思います。」

<若きソフトウエア技術者へ>
 木村さんは、今、開発を離れてしまいましたが、これからのIT技術者に期待するものはありますか?
「若き技術者の方には国際的な立場で、もっともっとこの業界を引っ張っていって欲しいですね。 日本人の製品開発力の素晴らしさは世界でも良く知られています。 しかしアピールが下手なので、ゲームソフト以外では、世界でその実力が認識されていません。 日本発のソフトウェアが世界で張り合えるように、どんどん盛り上げてくださいね! 本当にやる気のある人には、IBMは非常に魅力的な会社です。 これほど技術者のキャリアパスを大切にしている会社はないでしょう。 長く技術者をやろうと思う方は、ぜひ来て欲しいですね。」

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