グリーが138億円で買収後、2年半で90億円の減損処理したポケラボが大幅減収減益:1分で読める注目の非上場企業の決算まとめ
2012年にグリーが138億円で買収して、今年90億円以上の減損処理をした株式会社ポケラボが、50%以上の減収と9億円の経常損失、2015年10月16日の決算速報です。
第8期決算公告 10月15日官報57頁より
売上高()内は前年比
2,052,146千円(-56%)
経常利益()内は前年比
△947,730千円(前年は△181百万円、赤字拡大)
過去の決算情報
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企業情報
企業概要
2007年に設立されたゲームデベロッパーで、DCMやインキュベイトファンドが出資、「やきゅとも!」「サムライ戦記」等の当時人気ゲームを連発、グリーに買収された2012年当時は「運命のクランバトル」「三国INFINITY」をはじめ、ネイティブアプリの方でも、5タイトルのうち、4タイトルがリリース後App Store売上ランキング20位以内に入る等、高い開発力を評価され、本格的なスマホシフトに向け、ネイティブアプリの開発力強化が急務だったグリーに138億円で買収されました。
最近の動向
買収後も、赤字続きではあるものの、2012年当時5億強だった売り上げ自体は、14億、60億と大幅に伸びてはいましたが、前期は40億円に減収、そして今年は20億円まで下がっている状況です。主力のカードバトルゲームの落ち込みが想定以上に進んでいるとされており、グリーが計画見直しに伴いのれんなどの減損93億円を計上しています。
これは、ポケラボに限らずですが、そこそこの映画が一本取れるくらいの開発費とそれを上回りかねない宣伝費をかけて、収益の期待値はものすごく上がっている今のスマホゲーム業界はそれ自体がかなり無理ゲー化し始めてる気がしますね。加えて、グリー自体も「消滅都市」などを始めとして、社運を賭けて開発力を強化しており、ポケラボは数字以外の外部環境もかなり厳しい状況といえそうです。
その他企業情報
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決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。
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