11月21日(日)開催「若者の力でいのちを守る社会を創る」inochi WAKAZO Project
「若者は進化している」と実感させられる今日この頃。地球全体がパンデミックに覆われる中、世界的にSTEM(科学・技術・工学・数学)への関心が高まっています。「ミレニアル、とくにZ世代は価値観が違う」「消費者と従業員は、コロナと気候変動の問題に悩み、より貯蓄して消費を減らそうとしている」と述べたのは、現代マーケティングの父、フィリップ・コトラー氏。さて、日本でも若者の意識は世界と同じく変化しているのでしょうか。来る日曜11月21日(13:30~18:30)開催inochi WAKAZO Forum 2021 -YOUNG Living Lab for our "inochi"-のプレビューとして、若者の医療課題解決への取り組みを独占取材しました。
若者の医療プロジェクトを知ったのはこの夏。若い次世代リーダー達が集まる国際プラットフォーム、One Young World(OYW)のミュンヘン大会に先駆けたキックオフイベントOne Young World Munich 2021 Japanese Delegate Send-Off Receptionにおけるプレゼンテーションのひとつが「若者の力でいのちを守る社会を創る」を目指すinochi WAKAZO Projectでした。inochi Gakusei Innovators' Program KANTO代表、順天堂大学医学部医学科4年、國富太郎氏が登壇し、大学生と中高生によるヘルスケア課題解決プログラムを紹介したのでした。
inochi Gakusei Innovators' Program KANTO代表、順天堂大学医学部医学科4年生 國富太郎氏
10代が主人公のこのプロジェクトは、計4ヶ月間を費やし関西・関東・金沢・徳島にて実施されたinochi Gakusei Innovators' Program(i-GIP)で、運営側の大学生メンターと2人3脚。課題の発見、解決策の着想、検証、プロトタイプづくり、提案という一連の取り組みに没頭しました。その集大成inochi WAKAZO Forum 2021 -YOUNG Living Lab for our "inochi"-が開催を目前としています。
そこでイベントプレビューとして、関東大会で選出された2プロジェクトを事前取材する機会に恵まれました。最初に話を聞いたのは学習院女子の高校1年生 黒澤恵理氏、篠田まなか氏、棚町友香氏による「クロワッサン三姉妹」チームの「出た?んぽぽ」。メンバーが身近なできごとから、浴槽の中で溺死する高齢者の課題に気づき、温度感覚のフレイルという知られざる現象にたどり着きます。お風呂とは本来、開放されてリラックスする楽しみであるはずが、命を亡くす場になりかねないという悲しい事実に立ち向かうために、入浴時間の計測装置と温度センサーを組み合わせた花型デバイスのプロトタイプを製作。1,000名を超えるアンケートや実際のヒアリングをもとに、ウェブ検索でみつけたメーカーとともに低価格の製品を開発しています。今後を尋ねると「出た?たんぽぽが出来て売る、だけではダメ。高齢者の浴室内での溺死が知られていない、リスクが広まっていないのが課題」「失われている命を学生の力で救うために、広めることが大切」と述べ、クラウドファンディングなどによる資金集めの考えも聞かせてくれました。
温度フレイルによる高齢者の浴室での溺死を防げ ~ 学習院女子高校1年生 黒澤恵理氏、篠田まなか氏、棚町友香氏「クロワッサン三姉妹」チームの「出た?んぽぽ」
その学習院女子が「すごい」と述べたのが札幌の立命館慶祥高等学校の同じく1年生 丹山愛花氏、湯野遥氏、寺島侑那氏の「どさんこ三姉妹」チーム。「ツルっとすってん要介護」という名称で、北海道特有の滑りやすい上に凍っていると見えづらく気づきづらいブラックアイスバーンでの高齢者の転倒防止に取り組みます。北海道全土で屋外に配布される滑り止め材に着目。高齢者が目に留まる色に染めることを思いつき、市に着色を提案。市民理解を得るためにアンケートを実施し、実装による相対的なコスト削減を訴えます。そして実際に着色に協力する企業を取り込み、黄色い滑り止め材のプロトタイプ開発に成功しています。「これまで問題しか見てこなかった、課題を見つけるのは初めてで何度も通り道をした」と本質を見据えながら「北海道だけでなく日本全体、世界中の積雪地帯に役立てられるはず」と命を救う道に期待を見せます。
ブラックアイスバーンによる高齢者の転倒防止へ ~ 立命館慶祥高等学校1年生 丹山愛花氏、湯野遥氏、寺島侑那氏「どさんこ三姉妹」チームの「ツルっとすってん要介護」
そしてこの2チームいずれもが「大学生のメンターが熱く、いつでも支えてくれた」と感謝し、感慨ひとしおの思いを述べます。そこで、製薬会社9社が力を合わせてCOVID-19ワクチンの開発に協力した「サイエンスは勝つ」キャンペーンで、ブランドの回復を遂げたファイザーを思い出しました。
年齢や立場を超え、手に手を携える協力は、医療の進歩、未来への一歩を生み出します。Z世代が拓く将来への幕開けです。
取材協力:共同ピーアール株式会社
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