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3月、春まっさかり。新年度を目前に、国際女性デーに合わせてアメリカン・エキスプレスが開催した、女子高校生向け金融教育ワークショップに立ち会いました。

商業科が挑む「リアクション」と「想像」

早春のこの日、アメリカン・エキスプレスの社員ボランティア約20名が神谷町トラストタワーのオフィスに集まり、静岡女子高等学校12年生計40名以上を出迎えました。朝7時半から上京してきたこの商業科の高校生たちはすでにジュニア・アチーブメント日本(JA Japan)が実施する会社設立、経営シミュレーションという2つの特別プロジェクトを受講済み。前日の事前授業も経て、満を持して東京での授業に臨みます。

ブレザーの制服に身を包む生徒たちは、表参道でのランチを早々に切り上げ、少し緊張した面持ちで最先端のオフィスビルに足を踏み入れました。10班に分かれ席に着くと、JA Japan執行役理事の黒木自子 事務局長から、この日の3時間にわたるプログラムの説明を受け、「リアクションしてください。聞いているよ、と相手がわかるように反応して」という呼びかけに耳を傾けました。

冒頭のあいさつでは、アメリカン・エキスプレスの森田義博 人事担当副社長が、自分の10代の頃の話を披露。当時と比べて日本円の為替相場がほぼ倍になった現在の物価を例に挙げ、「300円なら、3000円ならとお金の価値について想像力を働かせてください」「お金について自分ごととして考えて」 と呼びかけました。そして「これから自分の進路を考える、心から思うことにはだれも介入できない」「皆がどう感じるかが大事、今日の体験をこれからのきっかけに」とエールを送りました。

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それからいよいよワークショップが開始。高校生が各自のPCから、JA Japan執行役員理事の高木正明 渉外担当の説明に沿ってファイナンス・パークの家計シミュレーションアプリにログインし、配布されたFINANCE Park 個人情報カードに沿って、年収、家族構成、保有する株などを入力していきます。1歳前後の赤ちゃんや10歳頃の子どもがいるなど、女子高生にはまだ遠いながらも、いずれリアルとなる家庭設計の疑似体験が始まります。

そして収入から税金などを引いた毎月の手取り額、NMI(Net Monthly Income、月間純所得)を算出。そこから捻出する、食費や住居費など生活に必要な17費目にわたる出費を、具体的に想像して決めていきます。どの費目もゼロはなし、必ず出費しながら、NMIを超えない、という現実さながらのシミュレーションルールです。

学校の勉強とファイナンスパークの違い

「今日のファイナンスパーク、学校の勉強と違う点があります」と述べ、「学校の勉強には簿記でも数学でも必ず、まず正しい答えがあります。では、今住宅を選ぶ中で、マンション、アパート、一戸建て、どちらが正しい答えでしょう」というJA Japan 高木氏の問いかけに対し、シミュレーションの手を動かしながら考える生徒たち。自分が疑似的に作る家庭を念頭に、「両方」「どっちでもよい」という声が上がります。

「その通り。その人が生きたい生き方をすればよいから。わたしはこういう人生を送りたい、と自分で出した答えが正しい」と高木氏は肯定し、「自分の将来を描きながら、自分の人生をエンジョイして」と訴えました。

とはいえ、高校生にとって家計を切り盛りする大人になり切った出費管理の試算は、容易ではありません。電気、ガス、水道の金額はあらかじめ選べず、家族構成や使用料に従って決まる。保険料は家族の分も負担する。新聞も旅行も削らないなど、現実社会に沿ったシミュレーションを、ボランティア社員の大人の声を交えながら進めていきます。

「残金もけっこうあるよ」「いや本当に苦しい」「この次に何をかう?」といった会話、笑い声で盛り上がる授業は、開始から2時間ほど経過。ようやく完了の送信ボタンを押し終わった生徒からは「わー、できた」と拍手が上がりました。IMG_7489 (1).jpg

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ワークショップ締めくくりの挨拶に立ったJA Japan 佐川英雄 代表理事は、「『将来になったらなにになる?』という問いは、学校でも家でもだいたい職業、どんな仕事に就くかを聞く」と述べ、「しかし大人になることとは、仕事をするだけでなく生活、人生をどう楽しむか、という要素がある」と説明。高校生が将来どういう生活をしたいか、お金を使うことに頭を使う重要性に触れました。

人生にはお金が必要、そして人生を楽しむ上でお金は大事。10代の若者たちは進路を前に、将来お金をどう稼ぐかという人生設計に向き合い始めます。信用を金融に置き換えるクレジットカード会社だからこそ、高校生がこれからお金を稼ぐだけでなく、どう家計を設計し楽しむかという人生体験に目を向けるきっかけを作る、次世代向けの金融教育でした。

関連リンク:

2023年3月13日
アメリカン・エキスプレス、国際女性デーに合わせ、 女子高校生向け金融教育ワークショップを提供 10代の「知識を増やし、自分の将来の可能性を広げていきたい」を応援

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