No.6 データウェアハウス・ウィーク① ~ DWHの誕生
明日5/13(水)から5/15(金)まで、第14回データウェアハウス&CRM EXPOが東京ビッグサイトで開催されます。私も専門セミナーで、「はじめてのデータウェアハウス ~データウェアハウスとは何か? 目的・定義から活用法まで~」と題してプレゼンします。そこで、今回はデータウェアハウス(以降、DWHと略します)を紹介してみたいと思います。
このブログの第1回目に、データウェアハウス・ビジネスのことに触れ、情報を活用していますかと問題提起しました。そもそもDWHの由来は何だったのでしょうか?
最初ITは、業務の機械化・自動化のために使われました(業務系)。生産性・効率性アップが目的ですね。それが一段落すると、業務系に溜まったデータを業務に活用しよう、意思決定に使おうというニーズが生まれてきました。
経営者には経営者の業務、現場には現場の業務があります。自分のことを考えてみれば分かりますが、仕事をこなすのに一瞬一瞬必要な情報を入手し、必要な意思決定をしていますよね。
今月の目標を達成するために、前年同月の情報を参照してこういう施策を打とうとか、明日得意先を訪問した時にこういう提案をしようとか、実は私たちは一日の内に何十回も意思決定して行動しています。その際、今ではITを使わないことはないでしょう。
これが情報系ですね。1970年代から1980年代にかけて、いろいろなコンセプトが作られましたが、入れ替り立ち替り登場しては消えて行きました。MIS(Management Information System)、DSS(Decision Support System)、SIS(Strategic Information System)などですね。理由は、コンセプトは良かったものの、実現できるITがまだ無かったからです。
結局、この時代は、情報活用・意思決定のビジネスニーズは満たされませんでした。しかし、1990年にWilliam H. Inmon 氏によってDWHという新しい概念が提唱され、かつそれを実現できるハードウェアやソフトウェアの登場によって、一気に現実のものとして広がって行ったのです。
データベース(DB)ソフトを中心に、サーバー、ビジネスインテリジェンス・ツールなどの製品群です。DBはOracle、IBM UDB/DB2、Microsoft SQL Server、Teradata、最近ではDWHアプライアンスも出ていますね。
手前味噌で恐縮ですが、TeradataはDWHの代名詞的に言われていて、全世界で約940社、2,400システム以上の導入実績があります。
「データウェアハウス」の定義を書くと次になるでしょうか。
「経営者から現場の社員まで、経営や業務の遂行に必要な情報活用および意思決定を行うために統合され一元化された、時系列かつ削除や更新のない、追加のみの履歴明細データの集合体、およびその仕組みや環境のこと」
簡単に言えば、データベースを中核にした情報系全体の仕組みのことですね。
DWHの最終形は、全社で活用することですが、それは特にエンタープライズ・データウェアハウス(EDW)と呼ばれます。
「全社で情報活用および意思決定プロセスをサポートするために、統合され一元化されたデータウェアハウス、すなわち全社統合情報基盤のこと」
絵に描くと下のようになります。
では、明日は専門セミナーで講演してきます。その後、展示会も覗いてみようと思っていますので、レポートしましょう。皆さんもお出かけくださいませ!