No.3 ITが経営改革をリードする
JUAS(社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「イノベーション経営カレッジ」設立記念シンポジウムに参加しました。「イノベーション経営」と「明日を担う人材の育成」がテーマで、その中でいくつかの「気づき」がありました。
例えば、企業の変革のためには、企業の内外にある「情報の活用」と社員全員の意識改革が必要/情報を使ってビジネスを変えていく/ITによるプロセス改革/CIOのIはイノベーションのI、などです。
いずれもITが経営改革をリードするというメッセージです。私もまったく同感です。IT無くして現在の経営は存在し得ないので、もっと積極的にITを活用すべきと思いますね。言うは易し、行うは難しだと思いますが、最大の課題は、経営者が自らITに取り組んでいる企業が少ないということかも知れません。
経済産業省のウェブサイトに「IT経営ポータル」というページがあって、「IT活用に関する日本の現状」として次の図が載っています。ご覧になった方も多いでしょう。
上図を見ると、日本はまだ第2ステージで、米国は第3ステージに進んでいます。その差の理由を考えてみると、米国は合理性を重視する文化ゆえ、ITの効率性・有用性を取り入れる下地があった、あるいは多民族国家で多様な文化があるためITによる管理が必須だった、などが挙げられそうです。
日本は非合理性や曖昧さをよしとする文化なので、IT活用とは相容れない部分があるのかも知れません。また、トップダウンの米国とボトムアップ・現場主義の日本の差もありそうですね。現場で長い経験と勘を培っているので、ITによらずとも業務は遂行できるのでしょう。
しかし、日本も否応無しにグローバル化に巻き込まれ、業務も複雑になり、ITを活用しないと経営は難しくなってきています。経験と勘は非常に大事ですが、同時にITも必要だということではないでしょうか。まさにITが経営改革をリードすべき時代なのだと思います。
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5/13(水)から15(金)まで、東京ビッグサイトで、第14回 DWH&CRM EXPOが開催されます。専門セミナーで、5/13(水)9:40から12:30の間の前半、「はじめてのデータウェアハウス~データウェアハウスとは何か? 目的・定義から活用法まで~」と題して講演します。ご興味のある方はどうぞご来場ください。
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話し変わって、おいしいワインにめぐり会って感激したので、ちょっと記します。高級ワインではなく、ありふれたワインです。ラングドックLanguedocとボルドーBordeauxのワインです。ラングドックは“泥臭さ”!ボルドーは、コート・ド・ブールCotes de Bourgのワインで、私の好みのボルドーらしい“華やかさ”を持ったワインでした。感激しました!
以前、シャトー・サン・ピエールChateau Saint-PierreというサンジュリアンSaint Jurienのワインを飲んだことがあります。ソムリエが“枯れ葉”の香りですと言ったので、私はえっ!?と聞き返しましたが、本当に“枯れ葉”の香りだったのです!驚きましたね。生まれて初めて凄いと思ったワインでした。あとで、メドックの格付けワインだと知りましたが、それはどうでも良かったですね。
ラングドックは“泥臭さ”。コート・ド・ブールは“華やかさ”。シャトー・サン・ピエールは“枯れ葉”。
ワインはその美味しさを表現するのが非常に難しいです。物事を表現することは、すべからく語彙と言語表現の限界があるので、欲求不満に陥り、情けない思いをします。当ブログの情報活用と意思決定に関する文章でも自分が考えたことを正確に表現して、皆さんに伝えるのは至難の業です。しかし、一方で言語のせいにするなという声が聞こえてきそうです。私の能力の限界だと!?