オルタナティブ・ブログ > 開米のリアリスト思考室 >

「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

「前提・意図・仮説」を踏まえた「決定」という考え方(前編)

»
こんにちは。原子力オタクではなく文書化能力向上コンサルタントの開米です。

何かと「コミュニケーション」が重要な課題である昨今、複雑な情報を「わかりやすく説明できる」ような文書化能力が求められているわけですが、残念ながらそのような教育は現在までの学校教育の中では行われていません。
そこで、私のような人間が企業からの依頼を受けて研修を行っているという次第です。

さて、そんな研修をやっていると、当然ですが「書くのが苦手です」という方に大勢お会いします。そこで「業務に必要な文書を書くにあたって、どんなことに困りますか?」と質問してざっくばらんに吐き出してもらうことがあります。

下記のチャートはそんな「困ったことリスト」の一部を開米が分類したもの。



・・・・うん、これは心当たりがある、という方も多いのではないでしょうか。何処の会社でも普通にあることばかりですから。

「聞く度に返答が違う」
「見せる相手によっていうことが違う」
こういう例はほんと、よくあります。「直属リーダーに見せたらAと直すよう言われたが、その上司にはBと指摘された。どうすりゃええの」みたいな話です。場合によっては同じ上司が昨日はAと言い今日はBと言うようなこともあるから難しい(笑)

もちろん、そういう問題を解決していくのも仕事のうちですし、矛盾があるのは悪いことばかりではなく、それを話し合うことで関係者の理解が深まり、意識が共有されるというメリットもあります。

とはいえ、ただ自然にまかせるよりは、未然に防げるならば防ぐほうがいいです。どのみち、意識ギャップはいくら手を尽くしても生まれてきます。わざわざ、くだらない誤解が残りやすい文書の書き方をするべきではありません。

というわけで、この種の問題を解決するためのヒントを考えてみましょう。

理想を言えば、

前提条件や知識や判断ロジックを明確に出来れば、
関係者が立場の違いを踏まえてそれを共有し、
一貫した判断をすることが可能になります

そこで、ヒントになるのが、次のような考え方です。

仕事をしていく上で必要な「文書」は、
基本的には何らかの「決定」を書いていくものですが、
「決定」にはそれに至る前提と意図と仮説があります。

・・・(以下、次回に続く)



■誠 Biz.ID:説明書を書く悩み解決相談室:新着記事↓
行動を起こす場面をイメージしてますか?

■メルマガのご案内■
メールマガジンを不定期に発行しています。
お申し込みはこちら →開米瑞浩の「知識を図解し教える技術」

Comment(0)