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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

きれいな図なんぞ書く必要はない!

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 まいどお騒がせしております。文書化能力向上研修に日夜取り組んでおります、開米瑞浩です。
 ここのところ原子力話だったり書評をしたり脱ガンジガラメの話をしたりしていましたが、今回は、「文書化能力」という本業の話です。

 「読解力・図解力」という「図解」がらみの研修をやっているので、「説明書を書くのに、図を入れたいとは思ってもなかなかうまく書けません」という悩みの声を聞くことが多いです。下記の写真は、あるときそんな「文書作成に関する悩み」をざっくばらんに書き出してもらったときに出てきた声の一部。



 いろいろありますが、今回はこの声を取り上げましょう。

・最適な図を書くのが難しい
・うまく図にできない

 こういう声はほんとによく聞きます。どう書いていいか分からないから手が止まってしまうんですよね。

 そこで、私がとっておきの真実をお教えしましょう。それは、

きれいな図なんぞ書く必要はない!!

 という意外な事実です。
 え、意外じゃない? 人によってはそうかもしれませんね。

 きれいな図なんぞ書く必要はない、という理由の1つは、↓こういうものです。



 何か複雑な情報を説明したいので、文章だけでは難しいから図に書きたい、と思ったとしましょう。
 そんなときでも、最初は「元ネタ」となる情報をたとえば箇条書きで書くのが普通ですね。あるいは自分とは別な誰かがある程度まとめてある文章を読みます。これが「1.元ネタの情報を読む/書く」の段階。
 次にその元ネタの中から「2.キーワードを拾い出し」、「3.論理構造を整理して図解」しますね。

 問題はその次で、「図に書いた後」の4.の段階、ここには何が来ると思いますか?

 そもそも誰かに分かりやすく説明したいから図に書こうとしているはずなので、

    相手に見せて説明する

 ・・・と思いたくなりますが、実はちょっと違います。これをやる前に1.に戻るんです。
 というのは、3.で苦労するときは本当は1.の段階で問題が起きていることが多いんですよね。

 元ネタが不完全であったり論理的に矛盾があったりするから3.が書けない、ということが多いのです。
 だから、最初に書くものなんて「キレイに書く必要はない」のです。

最初は、図に書きにくい部分を見つけるために書く。
そういう部分は元ネタに不備があるので、元ネタに戻ってやりなおす。
そのきっかけをつかむことが大事なので、最初に図を書くときは、
「書きにくい場所」がわかればそれで十分。
いきなりキレイに仕上げようとして手が止まってしまうと、その
「きっかけをつかむ」こともできずに時間をつぶしてしまう。

 だから・・・

最終的に相手に説明する時のためにキレイに仕上げるのは
スッパリ先送りにしてしまおう!

 ということなんです。

 まるで試験問題に解答でもするかのように、正しい答えを見つけてから書こう、と思ってしまう方をよく見かけますが、そんな風に考えるといつまでたっても書けません。

 最初は、「書けないところを見つけるために書く」んです。
 だから、「あれ、これ変だなあ、変だよね?」・・・となるのが最高です。
 「変だなあ?」と思ったらそこを「1.元ネタ」に確認に行けばいいわけで。
 「3.図を書く」というのは、そのきっかけになりさえすれば十分です。

 だから、エイヤ!!! とテキトーに書いてしまいましょう。
 そのほうがずっと役に立ちますよ。

 イメージとしてはこんな↓感じです。



 つまり最後の4.にたどり着く前に1~3を何度も行ったり来たりするので、最初の3.については気楽にやっちゃいましょう。どうもここで必要以上に「キレイに」書こうとして、手も頭もカチカチになってしまっている例が少なくないようなんです。

 「キレイに」仕上げるのは最後の最後で十分なので、まずは気楽にやってみましょう。

 (そうはいってもそれもなかなか難しい、という場合の対策を次回書きます)

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