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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

「ゼスチャー」の基本その1:ヒジを伸ばす

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■「ゼスチャー」は意外に難しい?

人に何かを「教える」「説明する」ときは、ゼスチャーを交えて話をするほうが分かりやすいことが多いものです。しかし、ゼスチャーの練習をしたことがないと、簡単なゼスチャーでも意外に難しくてうまくできないものなんですよね。

先日某所で行った「教える技術」研修でも、受講者の方から「オーバーなゼスチャーを入れた方がよいことと、典型的なゼスチャーを4種類練習するだけでいい、という話が眼からウロコでした」 という声をいただきました。

私が「教える技術」の研修をするときは、プレゼンやティーチングの場面で使われる典型的なゼスチャー4種類の練習をたいてい入れます。今回はその中でも最も基本的な「ナンバリングゼスチャー」の話を書きましょう。


■ゼスチャーの基本その1:ヒジを伸ばす

たとえば、「今からお話ししたいことが3つあります」という場合に使うのがナンバリングゼスチャー。指3本立てるだけでいいんですが、この程度の簡単なゼスチャーでも、練習しておかないとなかなかうまくは出来ないものなんです。

ちなみにナンバリングゼスチャーをするとき(に限らず、ゼスチャーをするとき一般に言えることですが)にまず気をつけたいのは、「ヒジを伸ばす」ということ。ヒジを曲げていると目立たないし自信なさげに見えます。

ところが、プレゼンに慣れてない人がおそるおそるゼスチャーをしていると、なかなかヒジが伸びません。こういうのは練習しないとできないんです。ほんの数分程度の練習で効果てきめんなんですが。

私が教える技術の研修をするときはたいていこのゼスチャー練習を入れますが、ナンバリングゼスチャーの 「ヒジを曲げる版」 と 「ヒジを伸ばす版」 を両方実演すると、「おおーっ!、へえーっ!」という感じのリアクションが来ます(笑)
ヒジを伸ばすだけで印象が全然違うのに驚かれるんですね。

さらに補足。ゼスチャー1つ取っても単純なようで実は複合的に使える技だったりもします。たとえば「ナンバリングゼスチャー」は、ヒジを伸ばして指 を立てるだけの一番単純なものですが、単純なだけに実は受講者とのコミュニケーションツールとして使えます。どういうことかというと・・・・


■ゼスチャーで注意を引き戻す3点ポイント法

聴衆が10数人以上いる場所でのプレゼンやティーチングでは、ナンバリングゼスチャーをするときに、ある小技が効果的に使えるんです。それは、ヒジを伸ばしてナンバリングした状態で会場の右・中央・左、と3方面に腕を振ってやること。
3方面なので、3点ポイント法、とでも呼んでみましょうか(笑)

人間は自分のほうに注意が向いている、と感じると少し集中力が上がります。アイコンタクトと一緒にゼスチャーも向けることで、居眠りしかかってるお客さんも目が覚めるんですね。
まあ、本当に睡眠不足で眠い人は何をやっても寝ますが(笑)、ちょっと意識が脇見をしているだけの人を話題に引き戻す効果は高いです。

10数人以上いればたいていある程度横に広がってるので、この手が使えます。数人程度だったら1人1人アイコンタクトできますが、10数人以上になるとそれは難しいので、右・中・左という「方面」に注意を向けていることをゼスチャーで示すわけです。

 

■「最低3秒キープ」の原則

あと、もうひとつゼスチャーの基本として押さえておきたいのは、「最低3秒キープ」の原則。 ナンバリングのように動きのないゼスチャーの場合は、出したら引っ込めるまで最低3秒はキープします。これは、すぐに引っ込めてしまうとその瞬間視線をはずしていた人は見落としてしまうため。

と、まあこのへんが「ゼスチャー」の基本のキの字あたりですね。基本の「ホ」と「ン」がまだありますが、それはまた今度書くことにしましょう。


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