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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

よくあるテーマも一言加えればオリジナルになる

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誠Biz.ID のほうで開米が連載している「プロ講師のトーク術」の新着記事が公開されました。

「最初の一歩をうながすためにはメッセージを一言に絞り込もう」

プロの研修講師が企業研修の依頼を受ける場合、受講者とかかわる時間は1日から長くても数日程度しかありません。その短い時間を有効に生かすために大事なのが実は「メッセージを一言に絞り込むこと」です。これは講師に限らず、短時間で人の行動に影響を与えたい場合の鉄則です。

と、ここまでは単なる記事紹介です。

ここから先は上記新着記事をネタに、「よくあるテーマをもとにしてオリジナルの記事を書く法」を書くことにしましょう。

読んでいただければわかりますが、上記リンク先の記事で言っている「メッセージを一言に絞り込もう」という話自体は別に変わった主張じゃありません。ちょっとプレゼンが上手い人なら誰もが知っているようなプレゼンテーションの鉄則です。

でも、もう一度記事タイトルとリード文(上記、記事概要紹介文)を見てください。

「プレゼンテーション」

という言葉はどこにも出ていません。

これがもし

「メッセージを一言に絞り込むのがプレゼンテーションの鉄則」

というタイトルだったらどうでしょう?
このタイトルだと、「プレゼンのノウハウを語った記事」になってしまいます。
正直言って私がそれを書いても大したアピール力はありません。
「プレゼン術」の情報は書籍にもWebにも至るところで溢れてますし、プレゼンテーションを教える本職の先生も大勢います。

プレゼンで飯を食っているわけではない開米が「プレゼンのノウハウ」を書いてもあまり意味がないだろうなあ・・・・

そう思ってひとひねりしたのが「最初の一歩をうながすために」というタイトルでした。

言っていることはプレゼンのノウハウなんですが、それを「短時間で他人に新しい行動を始めさせたい、という事情がある人」向けにアレンジしたわけです。

これなら、「プレゼンノウハウ」というカテゴリーではなく、「人に影響を与える方法」というカテゴリーで勝負できます。

そしてこのカテゴリーならば、研修講師というのは、「強制力のない立場で、短時間で受講者に行動をうながさなければならない」存在であり、「強制力のある立場で、長時間相手と向き合える」職場の上司に比べると圧倒的に厳しい条件にあります。

ということは逆に、厳しい条件をクリアするために工夫してきたノウハウは使い物になることが多いわけです。

このカテゴリーなら、人の役に立つ、参考にしてもらえる記事になりそうだ。

そう考えて全体を構成したのが、冒頭のリンク先の記事なのでした。

「メッセージを一言に絞り込む」というテーマ自体はよくあるものですが、それに一手間かけてオリジナルの状況に当てはめるだけでオリジナルの記事が書ける、という事例です。

もし何か書こうとしたときに「これじゃよくある一般論だなあ・・・・」という気がしたら、これを思い出して、一手間かけてみませんか?
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