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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

「考える」きっかけは、ちょっとした違和感

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このところ涼しくなっていましたが、今日はまた夏の戻りのような日ですね。
おかげで台所においていたチョコレートが溶けてしまいましたが、ま、それはそれ。

読解力・図解力の練習問題をいくつか掲載しましたのでお知らせします。

→ 読解力・図解力練習問題一覧

この中の最後の出題12「食中毒予防」の話を今日は少し書いてみます。

→ 出題12:食中毒予防

この問題、「家庭科の先生が生徒に食中毒予防のために守るべきこと」を教える、というシチュエーションです。
こんなふうに先生が生徒に、「教育係」が「学習者」に何かを教えるというシーンはよくありますよね。会社でも新入社員に仕事を教えるときはこんな感じの場面があります。

こういう場面では、学習者のほうは「言われたことを全部メモしてチェックする」のは基本ですが、それだけでなくそこから一歩踏み込んで欲しいんですよね。

この「食中毒予防」の問題では、先生のほうは「思いついたことをそのまま口に出す」ようなやり方で教えているため、チェックポイントが構造化されていません。
構造化しておかないと、

  記憶に残りにくい
  指導自体が間違っていても気がつかない


という問題が起きます。

そのため、学習者の側でも「構造化する」努力をするべきです。世の中、教え方のうまい先生ばかりではありませんし、自分で問題解決をしていこうとするときには、自分で問題の構造を発見しなければなりません。普段から構造化することに慣れておかないと、いきなりやろうったってできませんので。


ちなみに私がこういう「構造化」を自分でやろうとするのは、教えられたことに「ちょっとした違和感」を感じたときです。

  何かおかしい。どこか間違ってるんじゃないか・・・・

という感覚です。論理的にどうこうではなく、何か違う、という感じがするわけです。
非論理的な話ではありますが、こういう「ちょっとした違和感」は大事にするべきだと思います。それを単に「気がする」で片付けてしまうと進歩がありませんが、きちんと理由を突き止めようとロジックをたどって「考える」と、いい勉強になります。

そのための最初の出発点が「何かおかしい」という違和感なわけです。


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【開米瑞浩の「知識を図解し教える技術」】
(9/27 リンクを間違えていたので修正しました)
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