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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

読解力図解力を上げるために「ラベリング」をしろ、とひたすら力説する日々

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前回、こんなふうに書きました。

将棋の勉強というのは

  具体的な細部の情報を読んで
  それを抽象化した「意味」を考え、
  短い名前(ラベル)をつけて覚える

という繰り返しです。

で、これをそのまんま一般のビジネス文書などを
相手にやると「読解力・図解力トレーニング」になるわけです。

というわけですが、今回は「一般のビジネス文書などを相手にやる」の例をご覧いただきましょう。

<ラベリング前>
為替相場が現在の水準で続いた場合、海外の競合メーカーに比べて生産コストが30%高い水準で固定します。海外生産に踏み切るべきでしょう。

<ラベリング後>
仮定 :為替相場が現在の水準で続いた場合
問題点:海外の競合メーカーに比べて生産コストが30%止まりする
提案 :海外生産に踏み切るべき

「ラベリング前」は、文がハッキリ区切られていないままで続いてましたが、それを小さい単位に分解してその意味を表す「仮定」や「問題点」というラベルをつけたのが、「ラベリング後」の状態です。

実は私は

  とにかくこのラベリングを徹底しよう!

ということをメインメッセージとして、企業で読解力・図解力トレーニングを行っているのです。

え、それだけ? と思えるかもしれませんが、そのたったそれだけが難しいわけです。

だから、毎日ちょっとずつ、ほんの3分だけでもいいからこれをやる気になってくれ!
文章を分解してラベリングするというワークを1日3分だけでもいいからやってくれ!

そうすればあなたの読解力・図解力が少しずつ、しかし着実に上がっていく!

と、熱くしつこく研修の場で力説しています。


この感覚、「情報にラベルをつける」という感覚を私が身につけた原点は、おそらく前回から書いている「将棋の勉強」の中でなんですよね。

それで、実は、この「ラベリング」をしておくと、「読解力・図解力」のみならず「思考力」において非常~~~~に良い効果があります。

そのへんの話を次回は書くことにしましょう。

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