決めたルールを継続するには?
皆さんこんにちは。キングジム、ファイリング研究室、コンサルタントの野原です。
せっかくファイリングをすることになっても、結局続かずに終わってしまうというお話はよくうかがいます。ファイリングは時間投資。継続して積み上げてこそ、大きな力になるのです。
【楽しんでやる】
これが最高ですね。楽しいんですからやめるわけがありません。
おそらくファイリングに投資した時間より、それによるリターンの方が大きいという実感 -「効果」と言っても良いでしょう- があるからではないでしょうか。便利になって行く、自分が変わって行く、向上していく、そんな姿を感じるのは楽しいものです。
あとはやっぱり、きれいな机の上を見るのは気持ち良いし、上司やお客さまから褒められたりするのも楽しみにつながることですよね。
【決まりごとやスケジュールとして機械的にこなす】
理由なんか考えない。決まりだからやる、周りもやっているからやる、儀式としてやる、習慣としてやる。
これもひとつの方法です。私は全てのことに理由を求めるタイプなのであまり得意ではないのですが、こういう方が合っている、と言う方もいます。いやむしろ、そっちの方が多いかもしれません。
理由や効果を考えず、疑いもせず、無心にこなすだけなので、方法が改善されていくようなことは期待できない反面、もう、こんなことはやめよう、みたいな考えもまた、出にくいです。
【強制されてやる】
動機としては最低レベルなのですが、最後の砦として絶対に必要です。定着するまでは意外と頻繁に発動されるかもしれません。
訓示があり、チェックされ、評価に関係する。嫌ですが、ファイリングは重要な業務の一部。書類は仕事を証明できる唯一のツールですから、いつの日かこのレベルを脱することを願いつつ、出来なければ強制してでもやるしかありません。
【継続するコツ】
- 無理な計画は始めから立てない
→完璧を求めてできもしないことを計画してしまうケースは実はよくあります。ファイリングは毎日のこと。それを考えて計画しましょう。 - ルールを見える化する
→やっているかどうか目に見えない方法では、守っていても、守っていなくても誰も気づきません。だから誰も注意してくれないし、やらなくても何も言われません。これでは、何かの拍子に一気に崩れてしまいます。 - キャンペーン化する
→スタートを切るのが最も面倒。だったら、自分の意志ではなく、スケジュールとして自動的かつ強制的にスタートする仕組みにしてしまいましょう。会社の行事としてキャンペーン化し、やらない方が居心地が悪い、くらいの雰囲気にしてしまえばさらに強力です。 - チェックする
→チェックされるとなると、突然やらねばならない、となるのが人の心情。それを最大限に利用します。 - 競争させる、結果を公表する、表彰する
→気持ち的には前の項の逆。自発的にやることを促す仕組み。会社のためになることだから、成果を出した人はやっぱり最後は表彰してあげたいですね。 - 後戻りしづらくする
→ファイル用具やオフィス家具を買い換える。対外的に活動を告知する。進捗を社内掲示板などで実況する。可能なら、対外的なブログなどだと、外部の人からも親近感もわいて、思わぬプラスになるかもしれません。 - システム化する
→守らないと次に進めない、または勝手にルールが守られるようにする。主にシステムの購入になると思います。施錠しないと帰れないとか、時間がたつと勝手にセキュリティがかかるとか。ただ、全てのことをシステム化することは不可能です。 - 効果が出る、目に見えて変化することから手をつける
→何からやるか、を決めるキーになるのは、優先順位だけではありません。誰しも効果が見えた方が楽しい、楽しければやりたくなります。「立てる、表示する、色分けする」のような、比較的早期に効果が出ることから始めて、達成感や成功体験をさせると定着しやすいです。
ファイリングは、とにかく継続することが大切です。業務改善的な施策に成功した試しがない、なんて言うところは、続けることを目標にしてもいいくらいです。
どんなに優れたことを始めても、投げ出してしまえばそこで0点です。極端に言えば例え30点レベルの施策でも、継続していれば30点なわけで、止めてしまうよりずっと良いし、継続の方法として蓄積された自信やノウハウがとにかく貴重です。
40点は来年目指せば良いんです。後戻りさえしなければいつかは一定レベルに達します。
継続され定着すればそれが普通になり、習慣になります。習慣は崩壊しにくいです。私見ですが、人(脳)は惰性で行動したがるので、習慣どおりに行動したがります。ファイリングすることが習慣化して普通になれば、そのとおり行動したくなるものです。
いかがでしたでしょうか。
もちろん、中には大改革が好きで、チマチマ改善しても面白くない、というのを否定するつもりはありません。「最初からきっちりやらないと意味がない」とかそう言うのは、概してやらないことを正当化するための前段なのですが、そう宣言して本当にいきなり大改革へとチームを引っ張ってやり遂げてしまった例もあります。できるなら、それが最高だと思います。
ただ、そう言う大改革にはついて来れない人が出やすい方が普通です。ファイリングはみんなでやることなので脱落者が多いと意味が薄れます。
と、なると、できることから着実に始め、それが「普通」になったらまた少し拡大する、というのが継続のコツではないかと思います。