組織の中に「捨てるプロセス」はあるか
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 人には限界があります。
 
 書類を管理できる分量も、例外ではありません。
 一定量を超えたら、管理できなくなります。
 限界ある人の集合体である組織も同じです。
 やはり書類が一定量を超えたら、管理できなくなります。
 一定量を超えたのに、書類を作り続けることは、管理できる能力がないのに、書類を作っていることになります。
 それでも類は増え続けます。
 なぜでしょう?
 仕事をする中に、知らず知らずのうちに書類を作るプロセスが組み込まれているのです。仕事をしていいる以上、それに伴って書類も増えていくのです。
 仕事が忙しい時、書類ができるペースも上がります。ファイリングなんてやっている暇はない!という時にこそ、書類はじゃんじゃんできていきます。皮肉なものです。
 仕事をしていれば、書類は自動的に発生していく、と言ってもいいでしょう。仕事をしていくうえで、書類を作るプロセスがないという組織はまずないと言っていいと思います。
組織の中に「捨てるプロセス」はあるか
 それでは、「捨てる」というプロセスは、皆さんの組織のワークフローに組み込まれているでしょうか。
 「う~ん...」
 「そういえば...」
 「ないかも...」
 書類はすごいスピードで発生していきます。それより速いか、少なくとも同じスピードで捨てていかなければ、やがて書類の量は管理できない分量に達してしまいます。
 書類を作ることに、皆さんあまりためらいはないと思います。仕事を進めるために、バンバン作ると思います。
 しかし、捨てろと言われたときは悩むでしょう。
 「捨てていいのかなぁ?怒られるんじゃないか?」
 「まだ使うかも...」
 「とっておけば、いつか役に立つかも...」
 これでは作る時と捨てる時の判断のスピードが違いすぎます。同じ速度でなんてできるわけがありません。
 書類を作るプロセスがある以上、捨てるプロセスも能動的に作っていかなければならないのではないかと思います。
 ファイリングスキルを身につけることで、「管理できる分量」を増やすことができます。
 人を増やしたり、お金をかけることでも、この分量を増やせます。
 しかし、それでも限界を取り除くことはできません。
 ファイリングとは、不要な書類を見極め、捨てていくプロセスがまずあり、その上に成り立つものです。
 ぜひ、日々の業務の中に、「捨てるプロセス」を組み込んでみてください。続けていけば、要・不要の判断の速度も上がります。そして、必要な書類に目が行き届くようになって、書類がすぐ出てくるようになっていることに気づくはずです。
 ファイリングとは捨てること。まずは、そこからですね。
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