持ち歩きオフィスを構築し、時短して、成果を出す
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。今日は、持ち運び可能な道具のお話です。
【オフィスを「身に付ける】
私は、管理すべきものをなるべく減らすことによって、本来の業務に充てる時間を増やせるのではないかと考えています。
減らして減らして、最低限持つべきものを、今度は小さなものに換えたら、全て持ち歩けるんじゃないか、と考えました。机の最上段に入れてあるようなカッターやステープラーなどが、一部でもポケットに収まったら、これは面白いことになるじゃないか、と。
この考えに至ったのは、先日の東日本大震災の時。地震が納まって外に出たとき、結局はポケットに入っているものしか持っていなかったわけです。今回は再度オフィスにモノを取りに戻ることができたわけですが、それが出来なければ、ポケットに入れてあったものだけで、局面を乗り切らなければならないんだ、そう思ったわけです。
必要なものはみんなポケットに入れとけ、と言うことです。
必要なものはみんなポケットに、という発想から、自分の机にある機能をポケットに入れたらどうだろうか、ということにチャレンジしてみたくなりました。以下は、現時点での試行錯誤の成果です。
【筆記具】
多機能ペン、万年筆、消しゴムを胸ポケットに常に挿していることは、以前に書きました。今でもこの3本は現役を譲っていません。
【はさみ】
最近ここに加わった1本が、はさみです。レイメイ藤井の「ペンカット」。これは、雑誌などでもよく取り上げられているのでご存知の方もいらっしゃるかも知れません。使ってみるとこれが良く出来ています。スライダーを上げると、持ち手が出てきます。左利きでも使えるように工夫されています。閉じて持ち手を収納するとペンのようになり、胸ポケットに挿すことができます。なのに使用感は通常のはさみと殆ど変わりません。
何より胸ポケットから取り出して、シャキーンと持ち手を出す操作が周囲の驚きを誘います。そういうのが気持ちいい方にはなおお勧めです。
【ステープラー】
ステープラーが持ち運びしにくい決定的な理由に、力が加わると勝手に針を空撃ちしてしまうというのがあります。
そこでミドリの小型ステープラーです。この仕組みがまたすごい。私は何度も開けたり閉めたりを繰り返して、一体どういう仕組みになっているのか、見入ってしまいましたが、知れば知るほどすごい仕組みになっている、感動ものの一品です。
持ち運ぶときは、完全に閉じた状態にします。針を空撃ちするようなこともありません。
使う時は一旦開いて、中の針を押し出す部分を「SET」という方に持っていく。これで、針が押し出されるようになります。これに連動してバネ(左向きに反り返っている部分)も利くようになり、ステープラーは半開き状態を維持してくれます。
この状態なら、通常のステープラーと同じ。ガチャッと留まって次の針が装填され、また戻って来ます。針を押し出す部分が、ちゃんと先頭の針の上に来ているのがわかるでしょうか。 収納するときは、先ほど「SET」にしたのを「LOCK」にします。これで針を押しだす部分が針を装填している所からずれ、同時にバネも利かなくなって、閉じた状態を保持するようになります。
小さいけれど、使い勝手は普通のものとなんら変わりません。針も通常サイズのものを50本つながったまま使用可能。なのに、携帯性はピカイチ。本当にこの商品は良く出来ています。
【修正テープ】
修正テープもだいぶ小さいのが出てきていますが、Toffyの修正テープもかなり小さいサイズ。キャップがちょうつがいで本体にくっついていて、開いた時にも本体にパチッと固定できて便利。横向きに引けるので、位置も正確に決まります。そのためにこのボディの中でテープを90度ひねっている訳です。カラーも色々あってオシャレですけど、オシャレだけにとどまらない、実用的な使い勝手がこのサイズに収まっています。
【マルチツール】
マルチツールと言えば、私の中ではビクトリノックスなわけです。小学校の頃から使っていて、いくつものシリーズを使って来ましたが、カード型の「スイスカード」は今回初めて購入しました。とにかくカード型は持ち運びに便利。そこに、虫ピン、ナイフ、爪やすり+マイナスドライバー、ようじ、ハサミ、ピンセット、ボールペン、定規、分度器が付いているのです。さすがマルチツールのビクトリノックス。
しかし、なんと今は「スイスカードライト」なる、これに更にLEDライトがついたモデルも発売されているのです。一体どんな仕組みになっているんでしょう。またまた買い替えたくなってしまいます。
【メモ帳】
「道具をうまく使う ピットレックの使い方 変化球編」の時に少しだけ登場したのですが、ミドリの「カードメモ」です。重さ6g、厚さ1.6mmに何と31枚ものメモ用紙が入っています。トレッシングペーパーのように薄い紙ですが、万年筆で書いても次のページにインクがにじむようなことはありません。これなら財布でも名刺入れでも胸ポケットでも、どこでも入ります。
私は次の付箋と一緒に本のしおり代わりに使って、思ったことをここに書くのに使ったりしています。
【付箋】
付箋ももちろん、カード型です。こちらはキングジムと3Mのコラボ商品、「キングラベル」。私は、読書をする時にこの付箋を使っていて、良いと思った所にはこの付箋をバンバンはさんで行きます。全て同じ色なので、一つの色だけ使い切ってしまって、他が残っているのに使い物にならなくなるという事態に陥ることがありません。何か書きとめておくことがあればミドリのカードメモに書いていきます。
【カッター】
私の場合、カッターって意外と使う機会が多いのです。スイスカードのナイフもあるし、実はキーホルダーにはレザーマンのsquirtもついていたりするのですが(最近、マルチツールはレザーマンにも浮気中)、段ボールを開梱したりすると、ガムテープの糊で刃がベトベトになっていたりする訳です。
マルチツールのナイフの場合、切れなくなったら刃を研ぐしかありません。しかし、カッターなら刃を折ればいいわけですから、日常使いはカッターでやりたい。そう思っていたところに無印良品のこのサイズのカッター。一般のカッターを単に短くしただけのようなデフォルメ的なサイズダウンが良いです。
残念なのは、クリップが少々甘いこと。使っているうちにだんだん開き癖がついて来て、本体から自然と落ちてしまいます。その時は手持ちのレザーマンのペンチでグイッと挟めば元通り。定期的な面手が必要な所もまた、かわいいのです。
ミドリから似たサイズのカッターが出ています。こちらはまだ未チェックですが、興味津々です。
【収納】
私はこれらのものを、リサイクルレザーを使った当社のピアチェット「シガーケース」の中に入れています。カード型の小物を入れるのにも重宝します。
いかがでしたでしょうか。机の引き出しがこのサイズに。いやもう、これは快適です。スペースの限られたポケットという超一等地ですが、ひとつひとつを小さくすることによってここに入れる道具を増やすことが出来るわけですね。一等地ですから、出すのは速い。使い勝手は損なわれていないのに持ち運べるから出先でも効率は変わりません。これによって、私はカッターとステープラーは会社に返却しました。机の中はさらにスッキリ。
まだまだ私の知らない文具がこの先、より快適にしてくれるのではないかと、ワクワクしてきます。