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キングジムファイリング研究室の野原淳です。情報を収集し、蓄積し、検索し、作成し、活用する一連の流れを、便利に、楽しく、速やかにする整理のしかたや工夫、便利なツールなどについて私の考えを書いていきます。コンサルティングでは話さない、小さな改善や未完成のアイデアなども紹介したいと思います。

本当に必要なものをだけを買う技術

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 皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。

 数回にわたって、「コンサルタントの持ち物チェック!」を書いてきましたが、そのまとめとして、本当に必要なものだけを買う技術をお話ししたいと思います。

 すっきりした環境を維持するには、モノを減らして管理工数を減らすことです。与えられた時間以上に管理に時間がかかるような状態にしないようにするためには、入口を狭くして、出口を広げることが重要です。本当に必要なものを一つだけ変える技術を身につけるのです。

 

【悪い買い物は自分を拘束する】

 私は趣味の多い人間だと思います。限られた時間でできることは少ないので手を広げすぎないように我慢しているのですが。

 趣味のものって、「いい」とか「欲しい」とか「安い」とか、そういった安易な判断基準でどんどん買ってしまうことってあります。後で振り返ってみると、単に「買う」という行為そのものを求めていただけだったりします。

 そういうふうにして買ったものって、結局使わないんですよね。これでは買ったものが可哀そうな気がします。

 逆に、お金出して買ったんだからという理由で、あまり便利でもないのに無理して使っているとか、そういうのってありませんか?買った行為が間違いだったと気づいているのにどこかでそれを正当化しようとしているんです。

 要りもしないものにお金を出し、使うことなく部屋に置かれ、不便だと知っていながら無理に使い、そこに管理工数を取られる...。

 こんな失敗は絶対にしたくない!そう思った私は、どうしたらこうした失敗を減らせるか考え、いつの頃からか自分の「アクティビティマップ」を作るということに到達したのです。

 

【自分のアクティビティマップを作る】

 「アクティビティマップ」とは、私が勝手に考えた言葉なので、皆さんは何と呼んでも結構なのですが、要は仕事も趣味もすべて含めて、自分は何をしているのか、何をしたいのか、その結果どうなりたいのか、それはなぜか?そういうことを書き出し、ある基準に沿ってプロットしていったものです。

 私の場合は、縦軸に趣味と仕事をとりました。趣味性の高いものほど上に、仕事上のものほど下に置いて行きました。左右は情報の流れを示し、左から「インプット」「ストック」「アウトプット」としました。

 下の写真がそれです。メモ用紙に手書きしたものをHYBRID W-ZERO3の「PDFshot」で撮影したものです。

 

PS_110210_190401.jpg 私は趣味は「インプット」だと思っています。好きで、楽しんでやるからこそ質の高いインプットになると思います。仕事のために無理やりやって、あまりいい結果になったことは私はありません。

 次にそれぞれに自分がどれだけ本気で取り組んでいるか、時間やお金を掛けることができるか、そういうことも書き込んでいくと良いでしょう。私は線を少し太くしてみました。今年はこれに頑張りたい、なんて言うのも入れていっても良いと思います。

 そうすると、色々なことがわかってきます。

 自分でバラバラにやっていた趣味や仕事が、意外なところで結びついてることが分かったり、結びつけて考えたら面白いんじゃないか、と言うことに気がついたりします。

 

【欲しいと思ったものをアクティビティマップ上で検証する】

 欲しいと思っていたものが、どこで使うのかアクティビティマップ上で説明がつかないこともあります。そういうのは単なる「消費したい」という目的のものかもしれません。そういうのが買う前に見えてきます。

 また、欲しいと思っていたものに必要な機能、最優先すべき機能はこれだとか、そういうのも見えてきます。例えば、デジカメが欲しいと思っていて、漠然とニコンかキヤノンのデジイチが何となくカッコイイと思っていた、と。でも、仕事では外出が多く、趣味もアウトドアに一番時間をかけているとなれば、やっぱり小型や防水といった機能を考えるべきだとか。そういうのが冷静に見えるようになってきます。

 そこで、そういう機能を持ったのはどこから出ているんだろう、と言うことになるわけです。

 今までも私はかなり熟慮して買う方でしたが、このアクティビティマップを心がけるようになってからは、「欲しい!」というアツい気持ちと、「本当に使えるか?」という冷静な気持ちがバランス良く同居して、短時間で正確に決断できるようになりました。

 その趣味に対して必要なものも「実はこっちでも使えるな」とか、「この趣味はまだ本気で取り組む段階には来ていない」とか、そういったこともわかります。逆に「今年はこれを重点的に取り組みたいからお金もかけてみよう」とか、能動的にウェイトを置く分野を決めたりできます。

 たとえば、私は釣り、キャンプ、登山、旅行、サッカーなど、アウトドア系の趣味が多いのですが、一番の趣味は車です。そうすると、他の趣味をする時に、同時に車にも乗るわけです。だから、車は絶対に諦めたようなのには乗りたくない。つまんない車に乗って山登りに行くより、移動そのものも楽しみ、山も楽しんだ方がいいに決まっているでしょう。僕は今の車を本当に楽しんでいます。ただ、家族からは乗りづらいと非難囂々なのが課題ですが。

 カメラは全ての趣味や仕事を記録するのに使えます。だからやっぱりこだわりましたし、パソコンも全てのアクティビティの記録やノウハウをストックし、検索し、アウトプットするハブとなる機器です。だから当然、質の高いものを求めます。お金をかけても惜しくない。だけど使いづらいものは絶対、掴みたくない。

 自分のアクティビティの中で最高のパフォーマンスを発揮できるのはどんな機能を持ったものか。どの機能をとり、どの機能を捨てるか。

 そうやって考えるうち、徐々に買い物の精度が上がってきました。真剣に考えて買うから、検証できるし、修正できるんです。

 精度が上がれば、無駄なモノも増えなくなります。真剣に選んだ好きなものだけに囲まれ、徹底的に使い倒せるようになり、コアな使い方までも編み出すようになったりして、そんな自分がまた楽しい。

 

【趣味が片付けを加速させる】

 私はもともと、整理・整頓のヘタな人間でした。

 でも、趣味を突き詰めていくと、自然と整理・整頓も突き詰めるようになる気がします。

 趣味ではいろんなモノ、情報、ノウハウがたくさん貯まります。それらには愛着があるから決して無駄にはしたくない。そうすると、趣味によって得た有形・無形のインプットはすべて「整理・整頓」と言う基盤の上を通過して束ねられ、ストックされ、アウトプットされるわけです。

 ですから、それを図式化したアクティビティマップは、自分の生活に必要なもの、機能を正確に検証できるツールでもあり、自分が何をし、どこに向かって行きたいのかを見出すツールにもなると思います。

 ぜひ皆さんもアクティビティマップを作ってみてください。そして何度も何度も描き直し、自分流のプロットを見出しましょう。きっと、無駄な買い物を減らせるはずです。

 

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