「できていない」と「できている」の境界線、それがファイル管理表
皆さん、こんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
今日は共有ファイルを管理するには不可欠の、「ファイル管理表」のお話です。
共有ファイルまでやる気ないよ、自分の机だけでいいよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、仕事は組織でする以上、組織統一ルールのファイリングを構築することが、最終的には求められます。個人でそれぞれの改善をしても、大きな効果は望めません。
この、共有ファイリングに絶対に欠かせないのが「ファイル管理表」です。ファイル管理表の考え方は、個人でファイリングをするにもとても役に立つものです。
【どこ戻す?いつ捨てる?誰の管理?全ての答えがここに集約】
ファイリングは、捨てること。
要らないものは捨て、必要なものは管理する。そのためには「戻す場所」と「捨てる時期」が台帳化されたファイル管理表が必要で、そこには以下のようなことが求められます。
部署にある全てのファイルが記載され、現物と常に一致している
タイトル、サブタイトルの他に、戻す場所、捨てる時期、保存年限、分類など、管理に必要な情報は全て記載されている。
ファイル管理表を持つことで、例え現物のファイルが遠くのキャビネットにあろうとも、そのファイルに関する全ての情報を知ることが出来るのです。
ファイルがあっちこっちに点在していても、外部倉庫に預けてあっても大丈夫です。離れた支店にあるファイルも、本社で確認することもできるのです。
もっと便利なのはファイルがないときです。元々存在しないのか、使用中なのか、既に廃棄したのか。現物でしか管理していなければ、この不安を解消する術はありません。
しかし、ファイル管理表さえあれば、捨てたならその旨が記載されていますし、登録されていないなら存在しないと分かります。現物がなくても、その理由を説明することが可能になるのです。
このような情報を、その業務に詳しい人でも、そうでない人でも、欲しいファイルがどこにあって、何年保存でいつ捨てるか、管理表を見ればみんな同じ答えを得ることができるのです。これがなければ、捨てる、戻すなどの判断が人によって異なってしまい、ファイリングが成立しなくなるのです。
ですから、我々コンサルタントは、ファイル管理表がなければ、ファイリングができているとは見なしません。
さあ、あなたもファイル管理表を作って、境界線を越えましょう。
【ファイル管理表を作ってみよう】
まず、自分の部署で管理している文書をファイル単位でタイトルを登録していきましょう。
ファイル単位でなく、インデックスや個別フォルダー単位まで掘り下げても結構ですが、細かすぎると更新が大変になります。まずはオフィスはファイル単位、保存庫(閲覧頻度が下がった書類を置いておく倉庫)は保存箱単位くらいから始めると良いでしょう。
一覧が出来たら、今度はそれぞれのファイルを管理するために必要な情報を追加して行きます。
管理項目が多いほど、高度な管理ができますが、これも多すぎれば更新が大変になってしまいます。
多くの人がはまる落とし穴として、どうせやるなら完璧にと思って、分類を複雑にしてしまったり、複雑なコード番号をつけたりすることです。
ファイリングは今だけやるのとは違います。今やったことを、次は続けなければならないのです。ある程度出来ていたものをステップアップさせるなら話は別ですが、何もやっていなかったのに急に100点を目指しても続きません。
まずはシンプルに、タイトル、戻す場所、捨てる時期くらいに割り切って結構です。その代わり、すべてのファイルに対して行い、それを継続するのです。
これで誰もが戻せて捨てられるのですから、個人の机や小さなオフィスなら十分です。ある程度の規模の共有ファイリングとしても最低限の情報は確保されています。使っているうちに必要だと思うものは順次足して行くのです。
小さく始めて、実態に即して育てた方が、あなたのオフィスでの利用に適したものになると思います。