その研修、AI時代に「通用しない人材」を量産していませんか?
多くのIT企業(特にSIerやソフトウェアベンダー)で、新入社員研修が時代の変化に取り残されています。これは今に始まった話ではありません。しかし、生成AIが驚異的なスピードで性能を向上させる今、この問題はもはや「見て見ぬふり」ができるレベルではなくなりました。
昨日のブログ(AIを教えない研修が、エンゲージメント危機を加速させる)でも触れたように、時代遅れの研修は、未来を担うはずの優秀な若手人材の流出を招く、静かな時限爆弾になりかねません。
AI時代にこそ「揺るぎない基礎」を学ばせるべき
AIによる開発の自動化(AI駆動開発/AI-driven Development)や、AIによる運用最適化(AIOps)は、もはやSFの世界の話ではありません。これらが普及し、性能が向上するほどに、システム開発・運用のあり方は根底から変わっていきます。
では、これからのエンジニアは、ただAIを使いこなすための「呪文(プロンプト)」を覚えればいいのでしょうか? 答えは「ノー」です。
むしろ、このような時代だからこそ、普遍的な基礎・基本の重要性が増しているのです。具体的には、新入社員研修のカリキュラムを抜本的に見直し、「コンピューターサイエンス」や「ソフトウェアエンジニアリング」の講義をその中心に据えるべきです。その上で、アジャイル開発、DevOps、クラウドネイティブ、そしてAI駆動開発といったモダンITの実践を、クラウド環境を駆使して徹底的に学ばせるのです。
一方で、ウォーターフォール開発に代表されるようなレガシーITについては、既存のベテラン人材に任せることを前提とし、研修では「知っておくべき教養」レベルに留めるのが賢明でしょう。未来を担う人材には、未来を創るための知識とスキルを集中して身につけてもらう。そのための選択と集中が、今まさに求められています。
テクノロジーがどれだけ進化しても、「コンピューターサイエンス」や「ソフトウェアエンジニアリング」という土台が、変化の波を乗りこなし、新たな価値を創造し続けるための力と源泉となります。
あなたの会社は、まだ「工数」を売りますか?
これまでのSIビジネスの多くは、「知的力仕事」とも言える、経験と知識を集約した「工数」を提供価値の中心としてきました。しかし、その領域の多くがAIに代替される未来は、もうすぐそこまで来ています。
生き残る道は、コモディティ化しつつある「工数」ではなく、真の価値創造の源泉となる「技術力」へとビジネスの軸足を転換することです。
ここで言う「技術力」とは、単に新しいツールを使いこなすスキルではありません。次々と現れる新技術の本質を見抜き、それを駆使して顧客の根本的な課題解決やビジネス変革をリードする力、すなわち「AIと共に新たな価値を創造する能力」を指します。そして、その能力の根幹を成すのが、先ほどから繰り返している「基礎・基本」なのです。
未来を託す覚悟が、研修を変える
こうした本質から目をそらし、いまだに「言われたことを、言われた通りにこなす」ための、つまりは「工数を稼ぐための労働力」を育てることに重心を置いた研修を続けているとしたら、それは「時代遅れ」という言葉では生ぬるいでしょう。
それは、新入社員たちに会社の未来を託す覚悟ができていないことの表れではないでしょうか。あるいは、もっと根深い問題として、経営者自身が自社の未来を描けていないのかもしれません。
AIの進化は、単に開発・運用の工数が減るという話に留まりません。SIビジネスのあり方、そして顧客との関係性を根本から変えてしまいます。
お客様がIT企業に抱く期待は、もはや「言われたものを納品する単なる『ベンダー』」ではありません。「ITを前提とした業務プロセスやビジネスモデルへの変革を、圧倒的な技術力で共に実現してくれるパートナー」へと、すでに変わりつつあるのです。
この期待に応えられる人材を育てることこそ、新入社員研修に課せられた、今一番の使命ではないでしょうか。
自社の未来はどうあるべきか。その理想の姿を明確に描き、その未来を安心して託すことができる人材を育てる。その強い理念と覚悟のもとに、未来を担う人材が夢と希望を抱けるような新入社員研修を、ゼロから作り変えるべき時が来ています。
今年も開催!新入社員のための1日研修・1万円
AI前提の社会となり、DXは再定義を余儀なくされています。アジャイル開発やクラウドネイティブなどのモダンITはもはや前提です。しかし、AIが何かも知らず、DXとデジタル化を区別できず、なぜモダンITなのかがわからないままに、現場に放り出されてしまえば、お客様からの信頼は得られず、自信を無くしてしまいます。
営業のスタイルも、求められるスキルも変わります。AIを武器にできれば、経験が浅くてもお客様に刺さる提案もできるようになります。
本研修では、そんないまのITの常識を踏まえつつ、これからのITプロフェッショナルとしての働き方を学び、これから関わる自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうことを目的としています。
参加費:
- 1万円(税込)/今年社会人となった新入社員と社会人2年目
- 2万円(税込)/上記以外
お客様の話していることが分かる、社内の議論についてゆける、仕事が楽しくなる。そんな自信を手にして下さい。
現場に出て困らないための最新トレンドをわかりやすく解説。 ITに関わる仕事の意義や楽しさ、自分のスキルを磨くためにはどうすればいいのかも考えます。詳しくはこちらをご覧下さい。
100名/回(オンライン/Zoom)
いずれも同じ内容です。
【第1回】 2025年6月10日(火)
【第2回】 2025年7月10日(木)
【第3回】 2025年8月20日(水)
営業とは何か、ソリューション営業とは何か、どのように実践すればいいのか。そんな、ソリューション営業活動の基本と実践のプロセスをわかりやすく解説。また、現場で困難にぶつかったり、迷ったりしたら立ち返ることができるポイントを、チェック・シートで確認しながら、学びます。詳しくはこちらをご覧下さい。
100名/回(オンライン/Zoom)
2025年8月27日(水)
【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド・改訂第5版
生成AIを使えば、業務の効率爆上がり?
このソフトウェアを導入すれば、DXができる?
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