生成AIを使った講義や研修のノウハウを大公開
昨今のITトレンドやDXの講義や講演で、生成AIツールを使った実演を披露しています。例えば、特定の企業向けの研修であれば、次のような内容です。
- 講義の冒頭、動画生成ツールのHeyGenを使って、本講義の狙いや目的について、まるで本物の私が、話しているような動画を流している。日本語、英語、中国語を流暢に喋り、言語の切り替わりもシームレスで、まるで私が語学の天才であるかのような印象を与えることができる(笑)。
- その企業の業績や事業課題、戦略について、生成AI検索サービスのPerplexityでレポートをまとめさせる。さらに、業界の動向や社会情勢の変化を加味して、今後どのような施策をとるべきかの提言などを書かせることもある。
- Perplexityで作ったレポートを、マインドマップ生成ツールのMapifyを使って、内容を分解し、カテゴリーに分けて図示させる。多様な表現方法を切り替え、レーポートの内容にふさわしい表現方法を探す。
- Perplexityで作ったレポートを、インフォグラフィック生成ツールであるNapkinを使って、内容に応じた図表を描かせる。多様なインフォグラフィックのパターンを切り替え、表示させ、内容にふさわしいものを選択する。
- その企業の業務内容に即した稟議書をChatGPT4-o1をこの画像使って作成させる。また、作成したム稟議書について想定される指摘や批判を列挙させ、それらに対する適切な返答分を作らせる。さらにこの質疑応答を考慮して、「最強の稟議書」をこの画像生成させる(これが一番ウケる!)。
- システム開発AIエージェントのBoltを使い、プログラムを書かせる。その場で修正や追加機能の作成を命じ、実際に動作も確認する。
- ChatGPT4-oを使って、特定のクラウド・サービス上で、Ansibleを使って仮想マシンを立ち上げるコードを書かせる。
上記以外にもWebページの即時翻訳やGenspatkを使ったAIエージェント機能による高度なレポートの生成(これは時間がかかるので予め生成しておく)などを紹介することもあります。
「ChatGPTを使って見たことがある」程度の人たちが大半で、「こんなこともできるのか!」と講義を盛り上げるには、大いに役立っています。特に、レポートや稟議書の作成は、日常、頻繁に行う業務であり、そのために何時間、あるいは、何日も使っている人も多く、それが数十秒とか1分程度で出来上がるわけですから、「すぐにでも使いたい」という人たちが続出です。
また、アプリケーション開発やインフラの構築に必要なコード生成をリアルタイムで書かせる実演を見せながら、「あなたはこのスピードでコードを書けますか?」と問いかけます。まあ、できるわけがないのですが、これもかなりインパクトがあります。
こういう実演を紹介した後に、次のようなチャートを見せています。
もはや、80点までの仕事は、人間のやる仕事ではなくなりました。人間がやらなくちゃいけないのは、80点からの修正です。まずはいち早く誰もが納得できる100点を達成し、その先の100点超えで、新たな境地、あるいはこれまでにないアイデアを提示することに、人間は時間を費やすことができるようになったのです。
例えば、次のような使い方です。
- 英語のページを即時に日本語に翻訳して、そこに書かれている内容を考察し、自分の考えを加えて、レポートをまとめる。これまでなら、翻訳に時間をとられ、内容を考える時間が割けなかった人たちにとっては、アウトプット品質を高めることに時間を使えるようになる。
- 調査レポートをAIに作らせ、いろいろな視点からの質問をぶつけ、そこに書かれている内容についての考察を深める。それを踏まえて、自分の見解や新たな視点を加え、レポートの完成度を高める。
- まずは、仕様書通りのプログラムを書かせる。その動作を確認して、ユーザーがより使いやすく、仕事が捗るUXにするにはどうすればいいかを「動く現物」を操作しながら、体感的に考えて、プログラムの改善に時間を使う。
知りたい情報の翻訳だけ、指示されたレポートをまとめるだけ、仕様書どおりのプログラムを書いて終了といった80点を完成とするのではなく、その先を目指すことに人間は役割をシフトさせることができると言うことです。
これまでは、80点を達成するために多大な時間と労力を掛けていました。その先となると、もう精根尽き果て、時間もありませんでした。だれもがそれを当然のことと考え、その先ができる特別な人は、「優秀」とされていたわけです。また、そつなく80点を達成できるベテランもまた評価されてきたわけです。
しかし、こんなことができる世の中になってしまうと、「優秀」の定義は変わります。ベテランのスキルや知識は、あっという間に陳腐化し、そつなく仕事がこなせるだけでは、評価されなくなってしまいます。つまり、80点までの仕事で満足し、そこに留まっていた人たちは、AIに仕事を奪われる時代になったのです。あるいは、AIを使いこなし、100点超えに時間を割こうとする人たちに仕事が奪われてしまうことになるのです。
では、このようなスキルを磨くにはどうすればいいのでしょうか。今週は、そんなことを考えてみようかと思います。
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