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「原理」や「原則」こそが創造性の基盤:AIを味方に付ける大前提

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数日前に発表されたGitHub Sparkの発表を聞いて驚かれた方も多いのではないでしょうか。

Perplexityに今回の発表の要旨を整理してもらいました。

GitHub Sparkは、GitHubが提供する革新的なサービスで、自然言語を使ってコーディング不要でアプリを作成できるプラットフォームです。AIが自然言語の入力を解釈してアプリを生成し、即時にデプロイします。従来のGitHubとは異なり、非開発者も利用可能で、アイデアから実行まで一貫したソリューションを提供します。他のノーコードツールと比べ、GitHubのエコシステムとの連携やAIとの深い統合が特徴です。このサービスにより、ソフトウェア開発の民主化が進み、より多くの人々が創造的なアイデアを形にすることが可能になります。

より詳しい日本語での説明は、こちらよりご覧下さい。GitHubのホームページでの説明よりも分かりやすいでね(笑)。

さて、このデモや記事をご覧になったソフトウェア・エンジニアには、2つの反応があったのではないかと思います。

ええっ!また、新しいツールが登場したのか。参ったなぁ、使えなくちゃ先ずのかなぁ、いままでのやり方じゃ、ダメなの?

ええっ!凄いじゃないか、面白そうじゃないか、よぉーし、試してみよう!

この対照的な反応の違いは、どこにあるのでしょうか。私は、「基礎」や「基本」、「原理」や「原則」といったソフトウエア・エンジニアリングへの関心の違い、つまり、ソフトウエアの本質に迫り、それを理解しようとする日々の心がけの違いが、大きいように思います。

GItHub Sparkに限らず、昨今のAIツールは、いままでの常識を覆すほどの変革をもたらしています。しかし、その根本にあるのは、ソフトウエア・エンジニアリングであり、その「原理」や「原則」を逸脱するものではありません。

これら新しいツールは、この「原理」や「原則」を実践するための手段です。その手段が、ソフトウェアの効率や品質の向上に、革新をもたらしているということです。「原理」や「原則」がかわったわけではありません。例えば、算盤が電卓になり、Excelになったことと同じで、四則演算で行われる計算の「原理」や「原則」が、変わったわけではありません。

手段を使いこなすことにしか関心がなく、そのスキルを磨くことに専心していたソフトウエア・エンジニアにとっては、GItHub Sparkは新しい手段の登場であり、これまでの手段を放棄して、新しい手段に乗り換えることを求められ話しですから、これは抵抗もあるでしょう。まあ、それ以前にGitHubを使うことが効果的な開発手法をしてこなかったとすれば、そもそも、この発表に関心をも立たないかも知れません。

一方、ソフトウェア開発の「原理」や「原則」に関心を持ち、それを学び続けてきた人たちにとっては、その本質に変化はなく、手段の改善、あるいは革新であり、これに馴染むのに、さほどの時間はかからないと思います。

GItHub Sparkのようなソフトウエア開発ツールに限った話しではありません。アジャイル開発もまた、ソフトウェア開発の「原理」や「原則」を逸脱するものでありませんから、この本質を抑えているエンジニアにとっては、ウォーターフォール開発から移行するにもハードルは高くはないでしょう。

私は、IT営業の人材育成の仕事もしています。そこでも、営業活動の「原理」や「原則」を大切にしています。営業という仕事の基本動作をおよそ30の「営業活動プロセス」に分解し、それが受注のためにどのような役割を果たすかを伝え、自分の営業のプロセスに当てはめて、検証してもらっています。

いわば、できる営業の基本動作を可視化して、自分に当てはめて考える機会を提供し、営業活動の「原理」や「原則」を体得してもらおうとしているわけです。このような営業活動の「原理」や「原則」が理解できれば、お客様の業種や業態、規模が変わっても、あるいは売るモノが変わってもすぐに対応できます。

少し前の話ですが、あるエンジニアに、「SharePointで作ってもらいたいことがあるのだけど、やってもらえる?急ぎなんだけど。」と頼んだことがあります。かれは、「大丈夫ですよ。」と答えました。私は、「ところで、SharePoint使ったことある?」と尋ねたところ「ありません。でもしょせん、簡易的な開発ツールじゃないですか。問題ないですよ。」と答えました。そして、2週間ほどで基本的な使い方をマスターし、完成度の高いプロトタイプを作ってくれました。

彼はまれに見る優秀なエンジニアであることは間違えありませんが、ツールの使い方ではなく、ソフトウエア・エンジニアリングの「原理」や「原則」をしっかりと理解しているから、こういうことができるのです。だからこそ、優秀なエンジニアなのです。

AI時代に仕事を奪われないために大切なことは、「原理」や「原則」つまり、知識の土台をしっかりと固めることだと思います。この土台ができていれば、新しいAIツールが登場しても、すぐに使いこなして、自分の武器に取り込めるに違いありません。

余談ながら、彼はいま、仕事をしながら大学院に通い「経営学」を学んでいます。彼曰く、「システム開発はAIに任せられる時代になります。そこで自分の価値を発揮することはできなくなるでしょう。だから、何を作るべきかを考えられる能力を身につけたいと思って大学院で勉強しています。」

こういうマインドセットこそが、人間の知性の土台を固める役割を果たすのでしょう。常に物事の根本に立ち返り、「原理」や「原則」を極めようとする態度が、創造性の基盤にもなるのだと思います。

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