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学んだ知識知識を書いてみること。あるいは、その大切さについて考える

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私が主宰するITソリューション塾では、事前課題に回答して講義に臨むようにお願いしています。およそ3ヶ月間、毎水曜日の18:3020:3011回の講義があります。それぞれの講義ごとに、事前課題を用意しています。例えば、先日、109日の第47期の初回の事前課題は、次のようなものです。

デジタル・トランスフォーメーション(DX)という言葉が盛んに使われています。これは、デジタル技術を駆使して、リモートワークを実現することことでしょうか?業務を効率化することでしょうか?新しいデジタル技術を駆使して、新規事業を立ち上げることでしょうか?もし、そうだとすれば、これまでのIT化やデジタル化と同じです。それらとDXでは、何が違うのでしょうか。IT化やデジタル化との違いとともに、DXとは何かを、文章で説明してください。

さて、皆さんは、どう答えますか?

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まずは、自分の回答を用意し講義に臨み、講義を聴いて改めて自分の回答を作り直してもらいます。

講義でも、読書でも、いずれも他人の知識です。他人の作った整理の体系に沿って語られた言葉です。だから、講義をどれほど聴いても、どれほど沢山の本を読んでも、知識量は増えるかも知れませんが、賢くはなれません。端的に言えば、使いものになりません。

人間の一生を全て読書に捧げたとしても、世界の知識の1%にもならないでしょう。つまり、知識量を増やすためだけの努力というのは、それだけでは、むなしい努力に終わります。

そんなわずかな知識量でも、私たちはこれを活かし、人生の知恵として、適切な意志決定を下し、よりよい生活をおくれるのは、これを自分の知識の体系に組み入れ、実生活に結びつけているからです。

知識の体系とは、「言葉」です。自分の言葉で語れるというのは、それが自分の知識の体系に組み入れられることを意味します。他人の言葉ではなく、自分の言葉で、自信を持って語れるときに、それは、その知識を理解していることであり、その知識を使うことができると言うことでもあります。

もちろん知識量が少なく、つたない言葉しか繰り出せないとしても、自分が自信を持って語れることは、大きな意味があります。まずは、これを土台に知識量を増やし、言葉を磨けば知識も輝くのだと思います。

「〇〇はどういうことですか?」と問われたとき、「それは、どの本のどのページ書いてあっただろうか?」や「誰かが言っていたなぁ。どう言っていたのだろう?」ということになるとしたら、それは他人の知識に留まっています。自分の言葉で、例えつたなくても、答えられたとしたら、それは自分の知識なのです。

そんな、自分の知識の状態を客観的に知る方法は、それを自分の頭の外に出すこと、つまり、文章として書いてみることです。それを自分が読んで納得できるか、あるいは、他人が読んで理解できるかという、第三者の目線で評価することです。

自ずと、自分は何を知っていて、何を知らないのかが「見える化」されます。そんな状況を作った上で講義に臨めば、自ずと講義に前のめりになり、自分の不足を埋めたいという意欲もありますから、知識も身につくのです。

そんな理由から、事前課題を出すようにしています。

また、文章を書くと言うことは、他人の知識、あるいは、整理されていない知識を、自分の使える知識に組み替える作業でもあります。つまり、外から取り入れた素材としての知識を身体の一部に組み入れることです。講義の後に事前課題を書き直すのはそのためです。

沢山の本を読む、いろいろな講義に出る。そこで留まることなく、それを文章として書き出すこと。そうやって、知識は始めて身なるのです。

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八ヶ岳南麓・山梨県北杜市大泉町、標高1000mの広葉樹の森の中にコワーキングプレイスがオープンしました。WiFiや電源、文房具類など、働くための機材や備品、お茶やコーヒー、お茶菓子などを用意してお待ちしています。

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これからは、「ITリテラシーが必要だ!」と言われても、どうやって身につければいいのでしょうか。
「DXに取り組め!」と言われても、これまでだってデジタル化やIT化に取り組んできたのに、何が違うのかわからなければ、取り組みようがありません。
「生成AIで業務の効率化を進めよう!」と言われても、"生成AI"で何ですか、なにができるのかもよく分かりません。
こんな自分の憂いを何とかしなければと、焦っている方も多いはずです。

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